車輌プロフィール 1990年12月に発売されたジャイロキャノピーは、その車名どおりに屋根(天蓋)を持つ三輪スクーター(スリーター)だった。ジェット戦闘機のコクピットを覆うルーフをキャノピーと呼ぶことになぞらえたもので、フロントスクリーンは屋根まで続き、四輪車のようにワイパーを装備して、雨天時の走行にも対応していた。スリーターのジャイロシリーズとしては、ジャイロX(1982年)、ジャイロアップ(1985年)に続く3番目のモデルとなり、三輪、屋根付きという個性もあって、「デリバリー業界御用達(ごようたし)」とさえ呼ばれた。搭載されたのはシリーズ共通の49cc空冷2ストローク単気筒エンジンであり、ジャイロアップで採用されていたディファレンシャルギアが、後輪の内外輪差を調整していた。フロントタイヤには、ジャイロX/アップの10インチよりも大きな12インチホイールを採用。走行安定性を向上させていた。