安倍首相は3月10日、左右に置かれた2枚のプロンプターを交互に見ながら、「東日本大震災から5年を迎えます」との 会見 を行った。前半はセットされたプロンプター原稿を読み上げ、後半は記者の質問に対して手元原稿を読み上げた。しかし、そこには小児甲状腺がんのことは含めなかったようである。 下図は、この5年間、福島県で行われてきた小児甲状腺がんの検査結果を一つにまとめたものだ。2015年12月31日までに計167人の甲状腺がんまたはその疑い(悪性ないし悪性疑い)が報告されている。 この検査は、チェルノブイリ原発事故後に観察され、因果関係が認識されたのが小児甲状腺がんであったことから、東京電力福島第一原発事故後に、福島県内の18歳以下の子どもに対して行われてきたものだ。 その検査結果を、2群にわけて示してみた。 左の2組は、比較的線量が高いとして優先して検査が行われた25市町村(川俣町、浪江町、飯舘