松丸本舗のワクワク感てのは、ずばり古本屋の魅力になる。 それも、中古書店の100円ワゴン発掘みたいなのではなく、老舗の古本屋をさまよう気持ち。あの、古いのも新しめもいっしょくたになってそそり立つ棚の前にいる興奮といえば分かるだろうか。目利きが選んだなかで、自分が太鼓判押した既読本にはさまれて、タイトルすら初見のやつを見つけたら―――そう、ドキッとするだろう。そして、たいていその第七官は正解だったりする。 この感覚は、amazonと新刊書コーナーしか行かないようなハンターには分かりにくいかも。なぜなら、そういう狩人は、目指す著者やジャンルが固定されており、タイトルすら事前に分かった状態で行くから。「あるか/ないか」しか気にしないし、「まどう」ことは時間のロスだと考えているから。迷うにしても、せいぜい「買うか/借りるか/ブックオフ」ぐらい。わたし自身、ビジネス書や文芸書を漁るとき、そういう狩人