避難先のアパートで、被災した自宅の写真を涙を浮かべて眺める(左から)横田やへ子さん、いちさん、一男さん=仙台市若林区で2011年4月12日、手塚耕一郎撮影 東日本大震災による大津波で自宅が被災し、家族のケアなどさまざまな事情で避難所にも身を寄せられない人たちがいる。やむにやまれずアパート暮らしをしているが、現行の災害救助法での支援の網からこぼれるケースが出ている。専門家は「支援が必要な人を助けられない矛盾が生じている」と法の弾力的運用の必要性を指摘している。【高橋宗男】 「逃げる時に持ち出せたのは懐中電灯二つだけ。収入の道もなくなったし、本当は避難所がいい。でも、ここにいるしかねえ」 仙台市若林区三本塚北中谷地の電気工事店経営、横田一男さん(73)が言う。震災後は親類宅に身を寄せていたが、今月7日にようやく見つけた同区内のアパートに入居した。3DKに一家7人で暮らしている。 津波で親類16