通常はホームレスの人たちが路上販売している雑誌『ビッグイシュー日本版』だが、ショップやカフェなど人の集まる場所であれば、ホームレスの人でなくともビッグイシューを販売できる「委託販売制度」がある。 福島県では2022年9月現在、2つの拠点がこの制度を利用して販売しているが、そのうちの一つが作家の柳美里さんが店長を務める「フルハウス」だ。副店長の村上朝晴さんに、店に込めた想いや委託販売の魅力についてお話を伺った。 高校生の通学路に明かりを、と考え書店を始める 作家の柳美里さんが福島県南相馬市に本屋「フルハウス」を開店したのは2018年のこと。柳さんとともに店を切り盛りしてきた副店長の村上朝晴さんは、当時のことをこう振り返る。 さまざまな言葉が書店を彩る 「ちょうどその頃、南相馬市小高区が避難区域だったのが解除されて、地元の高校が再開されることになったんですね。JR常磐線小高駅から高校までの通学