The Pride of Hiroshima 一瞬で失われた命、家、街。 「負けるもんか、負けてたまるか」 残された人たちは懸命に毎日を生きた。 がれきを運ぶ人たち、水道や電気、 ガスを復旧する人たち、 路面電車を動かす人たちを見た。 自分にも何かできるはず。そう思い始めた。 「よし、お好み焼きを焼いて、 子供たちに食べさせよう」 それから長きにわたり、 その人はこの街でお好み焼きを焼き続けた。 70年間草木も生えないと言われた焦土に、 一輪の夾竹桃が咲いた。 それを見て、生きる希望を取り戻した。 隣の人を気づかい、 隣の人がそのまた隣の人を気づかう。 いつしか人々は笑顔を取り戻していた。 「カープが始まる時間だ」 観戦している間だけは苦労を忘れ、 大声で応援した。 見知らぬ隣の人と肩を叩き合い、 無邪気に喜ぶ。 「明日もがんばるか」 あれから70年あまり。 広島は120万都市にまで発展し
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