横浜市を周回する環状2号線の岸根交差点から、東側の岸根公園にかけての一帯を岸根町と呼んでいるが、このあたりの老人会や盆踊りでうたわれる「岸根音頭」には、つぎのような一節がある。 〽ハァ~ヨイホ 岸の根 琵琶橋 武蔵の名所 むかし琵琶法師 むかし琵琶法師 流れも歌う... ここに出てくる琵琶橋とは、現在の岸根バス停のすぐ近くにあった小川にかかる小さな橋で、かつては琵琶の木で作られていたから琵琶橋という名前が付いたという事であるが、その他にも琵琶法師にまつわるいくつかの伝説が残されている。 むかし、ある琵琶法師が諸国を巡る旅をしていた時、たまたまこの橋にさしかかった。 しかし、当時の橋というのは今と違って丸太を渡しただけのようなもので、目がまったく見えない琵琶法師にとっては渡るのは大変な事であり、二の足を踏んでいた。 それを見ていた村の若者が、「この橋が何の木でできているか当ててみよ。もし当て