近現代100年のドラマに何を学ぶか ウェスタッド『冷戦 ワールド・ヒストリー』 冷戦はなぜ生まれたか? 冷戦後の世界が平和と安定を達成できないのはなぜか? 三浦俊章 ジャーナリスト ソ連が消滅して今年で30年。冷戦は遠くなった。二つの超大国が核兵器で相手を脅し合い、いつ人類が消滅してもおかしくなかったあの恐怖の時代はいったい何だったのだろうか。世界が資本主義と社会主義の陣営に分かれ、あらゆる問題が東西対決の物差しで測られた冷戦は、なぜ生まれたのか。そして、冷戦が終わっても世界が平和と安定を達成できないのはなぜなのか。こうした問いに答えるためには、いまいちど世界史の大きな流れの中で冷戦を振り返る必要がある。冷戦史研究を牽引してきた米エール大学のオッド・アルネ・ウェスタッド教授の分析に耳を傾けてみよう。 連載・三浦俊章の現代史の補助線 書評×時評 冷戦史の決定版、900ページを超える大著 ウェ