広島県では広島市に次いで二番目に人口が多い福山市。歴史上重要な拠点であった鞆の浦があり、草戸千軒という有名な遺跡があり、文豪、井伏鱒二が生まれた町である。にもかかわらず、全国的に有名なのはむしろ、お隣の尾道ではないか。そう嘆く人が少なくない。 そんな福山が、「島田荘司選 第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」によって、その名を全国に発信することになる。創設は、福山市の認知度を間違いなく高めてくれるだろう。 この「島田荘司選 第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」は、まったくの新作長編小説を一般から募り、受賞作はすぐに出版されることが決まっている。地方の賞としてこれほど本格的なものは今までない。審査員が島田荘司さん一人というのも大きな特徴のひとつだ。 実は、もうひとつ珍しい試みがされているが、そのことは後で話すことにする。 とにかく、福山発の文学賞の第一回目を何としても成功させ