開幕まで3か月足らずになった北京五輪で選手の前にたちはだかるのは、「汚れた空気」という難敵だ。 中国側は「五輪開幕前に工事をやめて、工場の操業も停止するのできれいになる」と不安解消に躍起だが、測定基準の違いもあって効果のほどは不透明。男子マラソンの世界記録保持者ゲブレシラシエ選手(エチオピア)が「ぜんそくの持病があり、北京で走るのは無理」と欠場を表明するなど、選手は神経をとがらせている。 4月20日、本番のマラソンコースを使って行われた五輪プレ大会。北京市の観測では大気は前日までの「軽微汚染」の状態から「良」に改善されていた。それでも、レース後の選手のウエアは真っ黒に。尾方剛選手(35)は「前日の練習で、のどがイガイガした」と話した。 競歩や自転車、トライアスロンなどの選手にとっても人ごとではない。 自転車の日本代表の飯島誠選手(37)は昨年12月、完成直後の自転車競技会場を走って驚いた。