「深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ」 今回は、哲学者・ニーチェによる有名な一文がぴったりの漫画です。 時事とリンクするタイトルを新作・旧作問わず取り上げて、“今読むべき漫画”や“今改めて読むと面白い漫画”を紹介していく本連載「漫画百景」。 一七景目は、『狂気の山脈にて』です。舞台は1930年代の南極大陸。人を寄せ付けない極寒の世界にそびえる漆黒の山脈──狂気山脈で、禁断の領域に足を踏み入れた研究者たちの凄惨な顛末が描かれました。 原作小説を手がけたハワード・フィリップス・ラヴクラフト(以下、H・P・ラヴクラフト)さんが逝去した3月15日の今日、改めて読むべき作品として紹介します。 田辺剛による「ラヴクラフト傑作集」シリーズ漫画『狂気の山脈にて』は、H・P・ラヴクラフトさんによる同名の原作小説を、田辺剛さんがコミカライズした作品。 H・P・ラヴクラフトさんの、現在はクトゥル