芸術活動を支援する「骨董通り法律事務所」に所属する寺内康介弁護士の協力のもと、連載中の「ポップカルチャー×法律 Q&A」シリーズ。第3回は「表現の自由」という創作の根幹に触れるテーマを取り上げる。 SNSが普及した影響もあって、ポップカルチャーを巡る社会問題や炎上案件は日々絶えることがない。それらの中には、思想的な対立が加熱し、議論が感情的になってしまうケースも否めない。各々のイデオロギーを主張し、溜飲を下げたいがための「論破」に気を取られすぎることもあるだろう。 そこで今回は、誰にとっても関わりのある「法律」という観点に立ち返って「表現の自由」を深掘りしたい。 昨今のポリティカル・コレクトネスなどに配慮した表現規制を巡る盛んな議論において、その反動として「表現の自由」を掲げている事例もしばしば見受けられる。「表現の自由戦士」などと呼称されることもある。 「表現の自由」は日本国憲法に記載さ