「理戦」に掲載して頂いた原稿の一部を加筆修正したものです。 現在の日本において、インターネット上での「表現の自由」は実質的に保障されているのだろうか。 もちろん、日本国憲法が保障する「表現の自由」には「インターネット上での表現」の自由も含まれると一般に解されており、それ故、法令で規制された内容または法令で規制された方法で表現活動を行わない限り刑事罰を科せられることはないし、法令による規制も極めて限定されている。また、「インターネット上での表現」については国家権力はもちろん、ISP等の電気通信事業者も検閲を行うことが原則として禁止されている。このように、インターネット上での「表現の自由」が形式的に保障されていることは疑うべくもない。 実際、私たちがインターネット上で表現活動を行う場合、たとえ政府の政策を批判するような内容であったとしても、逮捕され処罰される等の不利益をおそれて思わず躊躇してし