日本の「侵略戦争」を否定した論文を掲載して航空幕僚長を解任された田母神俊雄氏の言論活動をめぐって、防衛省が神経をとがらせている。防衛省の民間協力団体「防衛省自衛隊東京地本援護協力会杉並支部」が今年7月に都内で、「日本は侵略国家ではない」と題した講演会の主催を予定していたが、防衛省側から講演会の中止を求める要請があったことが12日までに分かった。 同支部の渡辺直紀副支部長は「田母神氏から直接話を聞ける機会なのに、防衛省は言論の自由を考えていないのか」と反発。同省側は「主催名を変えるならOK」と回答し、主催者名を同支部から「真に誇りある日本をつくる会」に変更することで決着した。 自衛隊東京地方協力本部援護課は「政府見解と異なる言論をした田母神氏の応援はできないが、中止を求めたわけではない。あくまで防衛省の立場を説明しただけ」と話している。