【カイロ=田尾茂樹】トルコからの報道によると、同国のコシャネル軍参謀総長と陸海空軍の各総司令官が29日、一斉に辞任した。 穏健イスラム政党「公正発展党(AKP)」政権に対するクーデター計画に関与したとして、軍幹部ら250人が拘束されたままとなっていることへの抗議という。軍トップの一斉辞任は極めて異例で、宗教色を強めるAKP政権と、国是である世俗主義を代表する軍との根深い対立が改めて浮き彫りとなった。 コシャネル氏は、「軍が犯罪集団だという印象を国民に植え付けようとしている」と政権を非難した。 AKP政権は2007年以降、様々なクーデター容疑などで軍関係者らを次々と拘束。一方、軍政下で制定された現行憲法の改正を目指すなど、軍の弱体化を図っているとされ、一斉辞任を受けて軍の強硬派が政権批判を強めれば、情勢が緊迫する可能性もある。