営業マンに苦手なクライアントがいるのと同じように、保育士にも“できればスルーしたい”と思うガキはいる。 わたしの場合、そのカテゴリーに該当するのは凶暴児ジェイクだった。 なにしろ彼の場合、顔つきがまず尋常ではない。こんなに暗い目、というか、ひょっとしたら狂っているのではないかと思うような強烈な目つきをした幼児を、わたしは他に知らない。 そんな凄い目つきのガキが、殴る、蹴る、痛めつける、破壊するといった行為をエンドレスで行っており、諌めれば必ず暴力で反撃される。 また、口にする内容がいっぱしのアンダークラスのフーリガンなため、人種差別的発言が多く、外国人の大人にとっては忍耐力を試されることになる。 その上、妙に頭が良く、何処を突けば大人を傷つけることが出来るか正確に知っているから始末におえない。 かくいうわたしなんかも、そもそも彼に対して苦手意識を持つようになった直接の原因は、 「あんたみた