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2010年6月27日のブックマーク (1件)

  • 傍論(2) - おおやにき

    さて第二は、では《判決理由》と《傍論》とはどう違うのかということである。この概念区分の誕生したイングランドにおいては明確に違い、《判決理由》であれば判例として以後の判断を拘束していくのに対し、《傍論》であればそうではない。イギリス法には「先例拘束性の原理」という特有の原則があり(現在は弱まったか廃止されたと言われているが)、伝統的には貴族院(最高裁判所)の判例は貴族院自身も変更できないとされていた。このために拘束力を持つ《判決理由》をできるだけ狭く解し、後続する事件での判断の自由を確保するための技術として「区別」(distinguishing)というものが発展してきたと言われているわけである。 ところで日法ではどうかというと、判例は「事実上の拘束力」を持つに過ぎないと言われるのが一般的である。つまり、法律上は下級審も過去の判例と異なる判断を自由になし得るのだが、それで負けた側の当事者は不