彰子の入内じゅだいと定子の死…。 怒涛どとうの展開を迎えた大河ドラマ『光る君へ』第28回ですが、書道指導を担当する私がご紹介したいのは、雪が降るなか、道長が日記に取り消し線を2本入れたシーンです。 彰子の中宮御立后りっこうの日として、安倍晴明が“よき日”と占った2月25日の”廿(二十)”まで書いた後、ふと筆を止め「まだ詔みことのりはおりてはおらぬ」と書いた箇所を消します。 実はこの2本の取り消し線、時代考証の倉本一宏さんの情熱で、1000年以上前に書かれた道長の日記「御堂関白記みどうかんぱくき」とまるっきり同じように、線と線の隙間すらそろえて引こうと、柄本佑さんや制作チームは撮影に臨んでいました。 稽古で線を引く練習をして、いざ本番。 ビーっと2本線を引き、監督からはOKの合図。 しかし、線と線の間がつぶれてしまっている…。 私は「もう1回」とお願いしました。 柄本さんも「俺も、ここ狙いた