研究では、17人(女性が14人)のボランティアに実験室で一晩眠ってもらう間に、脳波計(EEG)を用いて脳の活動を記録します。睡眠中、被験者を起こさない程度の音量で被験者や他人の名前を読み上げるのですが、その声は家族やパートナーといった身近な人物と、知らない他人の声があります。 脳波を調べたところ、聞き慣れない声を聞いた場合は、慣れた声よりも「K複合波(K-complexes)」と呼ばれる脳波が強く反応しました。K複合波は寝ている時に軽く触れられるといった、外からの妨害に反応して発生するのですが、それは覚醒を促すのではなく、むしろ睡眠を保護するために発生するものと考えられます。したがって、知らない声は知っている声よりも緊張をもたらしますが、K複合波を発生させることで、覚醒ではなく睡眠を可能にするものと思われます。 研究ではもうひとつ、「マイクロ覚醒micro-arousals」という脳波が、
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