JR中央線の御茶ノ水駅と神田駅の間にもう一つ駅があったことをご存知でしょうか。1912年(明治45年)、江戸時代より賑わう神田川沿いに「万世橋駅」が開業しました。その駅名は、神田川に架かる橋の名前に由来しています。 初代駅舎は、東京駅を設計した辰野金吾による赤レンガ造りの豪華なものでした。万世橋駅開業後は、駅前に市電が走り、多くの人が行き交う交通の要所として、銀座に並ぶほどの賑わいだったそうです。 東京駅の開業や関東大震災による駅舎の焼失等で乗客数が減り、約70年前の1943年(昭和18年)に廃止駅となりました。その後、交通博物館(埼玉県さいたま市にある鉄道博物館の前身)として利用されていたので、幼い頃出かけた記憶のある方もいるかもしれません。 その昔、街を彩るランドマーク的な存在だった赤レンガの高架橋。ドイツ人技師による指導で建てられたからか、どこか異国の香りがする美しく連なるアーチが印