遠くから見ると、北朝鮮の開城経済特区は冷戦時代の遺物のように見える。韓国ソウルから開城に行くには、戦車を陥れる罠が埋まった高速道路を走り、マシンガンを持った警備員が立つチェックポイントを通り、有刺鉄線のフェンスで囲まれた細長い非武装地帯を進まねばならない。そこでようやく開けた路地と巨大なビルが立ち並ぶ特区にたどり着く。 3年内に10万人雇用 だが、近づいてみると、そこが活気づいていることが分かる。開城特区で事業展開している韓国企業23社は、約1万5000人の北朝鮮人を雇用している。ほんの1年前の2倍の数だ。開城の工場の生産高は2005年1月時点では20万ドルだったが、今年3月には1300万ドルに達した。 今、韓国企業47社が開城進出の準備を進めており、韓国政府は6月、さらに300社に進出を認可する見通しだ。今後3年以内に開城特区の従業員数は10万人に増える可能性がある。 「当社の開城工場は