→紀伊國屋書店で購入 「理論社会学の醍醐味」 今回は、私と富山大学で一緒に仕事をしている佐藤裕さんの研究をご紹介します。 佐藤さんの研究対象は差別です。ただし、ここでいう「差別」は、一般的にイメージされやすいものと必ずしも一致しません。 私たちが差別という言葉でイメージしやすいのは、社会的カテゴリーによる不当に異なった扱いを指すでしょう。例えば「男性と女性は均しい扱いを受けるべきなのにそうなっていない。これは差別だ」というふうにです(これを佐藤さんは「差異モデル」と呼びます)。このとき、差別をなくす方法はというと、告発を行い、権利をとりもどす、ということになるでしょう(これを佐藤さんは「人権論」アプローチと呼びます)。 *「社会的カテゴリー」は、「集団」に近い概念ですが、例えば「女性」のように実体的な社会集団でないものも含みます。 しかし、「社会的カテゴリーによる異なった扱い」を具体的に画