動物化した主体の他者回避 動物化した主体の形成は、成長過程における「父」の機能の弱体化に特徴があるだろう。社会的な価値観が維持されないなかで強い「父」の機能が働くなくなっているという、社会的規律教育という去勢の不十分。これは、「大きな物語の凋落」と呼ばれる。 去勢によって習得する社会性は、他者との関係において、どのような状況で、どのように振るまうべきかという儀礼であり、それでも協力していかなければならない他者との間の緩和装置として働いていた。 だから去勢不全において社会的な規律、儀礼の習得が未熟な主体は他者とのアクセスに多大な負荷を感じる。なぜなら他者とはそもそもにおいて、不確実な存在であるからだ。すなわち動物化した主体は他者回避が大きな特徴となる。 動物化と資本主義の密接な関係 それでも主体が主体であるためには、他者からの承認が必要とされる。このための動物化した主体の承認は、「他者」と異