昨年5月初旬の田植えの様子=福井県小浜市(JA若狭提供)通常より遅い5月中旬の田植えを職員に呼びかける西川一誠福井県知事(手前)=3月24日、福井市の県庁 田植えはゴールデンウイークを避け、5月半ばに有給休暇で――。福井県が実家の農業を手伝う職員にこう呼びかけている。兼業農家率が9割と高く、例年、大型連休に田植えが集中する。だが、それだと穂が出る時期が近年の猛暑と重なり、品質が落ちて福井米のブランド力に傷がつくからだ。 西川一誠知事は3月、対象の職員400人を集め、「農業の未来が明るくなるよう地域、家庭で実行を」と訓示した。知事部局の8分の1を占める人数だ。 コメは県の農業産出額の7割を占めるが、日本穀物検定協会による福井産コシヒカリの07年の食味評価は5段階評価で真ん中の「A′」。同年の1俵あたりの価格は1万4053円。近隣の新潟、富山、石川を下回る。 黄金週間に田植えをすると穂
太陽光の代わりに蛍光灯でレタスを栽培する野菜工場=埼玉県秩父市 企業が工場などの施設内で野菜を効率的に育てる「野菜工場」が、3度目のブームを迎えている。消費者の「食の安全」に対する関心が高まる一方、不況で操業を停止した遊休設備を有効活用できる利点があるからだ。新規参入を支援するビジネスも熱を帯びつつある。 埼玉県秩父市の県営工場団地。半導体部品メーカーの倉庫の一室で2月、無農薬のレタス栽培が始まった。長さ17メートルの3段の棚には青々としたレタスが並ぶ。太陽の代わりに蛍光灯、土の代役に栄養分をバランス良く含んだ溶液を使って、年45トンを生産する。 野菜工場を運営するのはキユーピーの元社員らが昨年9月に設立した「野菜工房」。周藤一之副社長は「室内で管理して育てたレタスは細菌が少なく、3週間は日持ちする」。4月初めから出荷している地元スーパーへの卸売価格は露地栽培の1.3〜3倍だが、売れ
農地の有効活用を進める農地法改正案を巡り、自民、民主両党が27日、修正に合意した。39年ぶりとなる農地法の大規模改正が今国会で成立する見通しとなり、農地を耕作者が「所有」するという考え方から、一般企業なども含めた「効率的な利用」を促す方向に改める。 改正によって、有休農地の活用や効率的な大規模農業の促進を図るために、賃貸借など農地の利用権を原則自由化する。企業が条件の良い農地で農業を営む場合などに作る農業生産法人の出資比率を大幅に緩和し、農地の賃貸借の期間を最大20年から50年に拡大する。 焦点となった農地の所有について、政府は「耕作者による農地所有は変わらない」と主張してきたが、民主党などは「権利を拡大した利用者による農地の実効支配が進めば、なし崩し的に企業による農地所有に道を開く」と反発していた。 修正で、法の目的を定める第1条に「耕作者による所有が果たしてきている重要な役割も踏
北陸農政局(金沢市)は24日、北陸産米の輸出促進用パンフレットに記載されたコシヒカリの説明に、中国で商標登録されている漢字表記「越光」と英語表記「KOSHIHIKARI」が含まれていたため、配布を当面見合わせると発表した。 農政局は「冊子作成時は商標登録されていたとは気付かなかった。廃棄せずに対応したい」としている。 農政局は、北陸産のコシヒカリや、ゆめみづほなどのブランド米を海外にPRする目的で、中国語版と英語版のパンフレットを各1000部作成。農政局が管轄する石川、福井、富山、新潟県内の国際交流協会などに配布する予定だった。 ところが、外部の指摘で、「越光」が中国で商標登録され、現地で使えないことを知り、その後の調査で「KOSHIHIKARI」も中国で商標登録済みとわかった。パンフレット作成には計30万円かかっており、中国語版は「該当か所にシールを張るなどして使用する」(農政局)予定。
農林水産省は22日、農政改革の在り方を検討している「特命チーム」の会合で、生産調整(減反)を見直した場合の試算を公表した。減反を廃止した場合は、1年目に60キロ(1俵)当たりの米価が今のほぼ半分の7506円に下落すると予想した。 試算では、基準となる米価を60キロ当たり1万5075円と仮定したうえで、(1)減反を強化した場合(2)現行を維持(3)減反廃止に加え、選択制など減反を緩めた場合を程度に応じて二つを想定した。 減反廃止のケースでは現在減反に応じている農地のうち、60万ヘクタールが再び食用米の生産に戻ると想定した。食用米の生産が増えるため、1年目の米価は大幅に下落するが、その後は需給が安定。10年後に9721円に戻るとした。 減反廃止のケースについては、農家が一斉に食用米生産に転換するという極端なケースも参考値として想定。その場合は米価は一時的に5894円まで下落するとした。
日本のコメどころ農家の約半数が減反政策に大幅な見直しが必要だと考えており、廃止を望む農家も16%に上ることが、朝日新聞と東北大学が共同で実施したアンケートで分かった。農政への不満も強い。かつての保守地盤にも自民党離れが進みつつあり、民主党への親近感が増している様子が浮かぶ。 アンケートは宮城、秋田、山形、新潟4県の農業者800人を対象に2月下旬から3月上旬にかけて行った。県ごとに一つのサンプル地点を抽出し、その地点で農業者200人を無作為で抽出。配布した質問票を郵便で返送してもらった。回収率は74.3%。 減反について「大幅な見直しが必要」とする意見が49%を占め、「廃止されるべきだ」も16%に上った。「若干の見直しが必要」は23%、「維持されるべきだ」は9%だった。減反は「協力しない人が得をし、不平等」とする回答は7割を超え、「どちらかといえば」を含めると90%を超えた。 農林水産
保管されている遺伝子組み換えの花粉症緩和米=茨城県つくば市の農業生物資源研究所 花粉症の症状を和らげる遺伝子組み換え米の開発が、立ち往生している。背景には、このコメが厚生労働省から医薬品だと指摘されたことや、遺伝子組み換え技術への不安があるようだ。農林水産省が補助金を出して後押ししてきたプロジェクトだが、お蔵入りする可能性も出てきた。 花粉症緩和米は、アレルギーの原因となるスギ花粉に含まれるたんぱく質の遺伝子を、人工的にコメに組み込んだ新品種。コメを食べながら、徐々に体をアレルギーに慣れさせることで、症状緩和の効果が期待できるという。 農水省は04〜07年度、独立行政法人・農業生物資源研究所(茨城県つくば市)と、日本製紙(東京)による研究プロジェクトに計6億7千万円を投じた。隔離農場で栽培し、ネズミやサルへの実験を続けてきた。その結果、普通のコメを食べたネズミと比べて緩和米を食べたネ
奥田美貴夫さんが開発した特大イチゴ「美人姫」=岐阜市 岐阜県羽島市のイチゴ農家、奥田美貴夫さん(55)が県ブランド「濃姫」を改良した特大イチゴを開発した。希望小売価格は1個5万円。「宮崎県の東国原知事が宣伝するマンゴーに絶対に負けない」と高級果物市場を席巻する意気込みだ。「美人姫」として意匠登録し、来年から販売する。 「美人姫」は1個の重さが80グラム以上。県農政部によると、「濃姫」は最大サイズの3Lで重さの基準は28グラム以上のため、約3倍の「巨体」になる。 奥田さんは30年以上かけて栽培方法を研究。苗がシーズン初めに開花する「第1花房」時に3〜5個の花房を残して摘み、栄養分を残った花房に集中させると、約40日後の「第2花房」時に特大イチゴが収穫できる方法を編み出した。 来年1月下旬〜3月初旬に計500箱(4、5個入り)を出荷する予定。奥田さんは「糖度は15度以上で甘く、味、色と
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