たまに誤解があるようですが、Cookieを設定する場合のDomain属性は *設定しない* のがもっとも安全です。以下、例示により説明します。 ※このエントリは、http://blog.tokumaru.org/2011/10/cookiedomain.html に移転しました。恐れ入りますが、続きは、そちらをご覧ください。
昨日の日記の続きで、Ajaxに固有なセキュリティ問題について検討します。今回はJSON等の想定外読み出しによる攻撃です。これら攻撃手法は本来ブラウザ側で対応すべきもので、やむを得ずWebアプリケーション側で対応する上で、まだ定番となる対策がないように思えます。このため、複数の候補を示することで議論のきっかけにしたいと思います。 まず、作りながら基礎から学ぶPHPによるWebアプリケーション入門XAMPP/jQuery/HTML5で作るイマドキのWeから、Ajaxを利用したアプリケーションの概念図を引用します(同書P20の図1-23)。 前回、前々回は、(5)のHTTPレスポンスの前後で、JSON等のデータ作成(エンコード)に起因するevalインジェクションや、(5)のレスポンスを受け取った後のHTMLレンダリングの際のXSSについて説明しました。 しかし、問題はこれだけではありません。正常
昨日の日記の続きで、Ajaxに固有なセキュリティ問題について検討します。タイトルはXSSとなっていますが、今回紹介する脆弱性はXSSではありません。 作りながら基礎から学ぶPHPによるWebアプリケーション入門XAMPP/jQuery/HTML5で作るイマドキのWeから、Ajaxを利用したアプリケーションの概念図を引用します(本書P20の図1-23)。 Ajaxのアプリケーションでは、XMLHttpRequestメソッド等でデータを要求し、サーバーはXML、JSON、タブ区切り文字列など適当な形式で返します。ブラウザ側JavaScriptでは、データ形式をデコードして、さまざまな処理の後、HTMLとして表示します。以下に、Ajaxのリクエストがサーバーに届いた後の処理の流れを説明します。 サーバー側でデータを作成、取得 データ伝送用の形式(XML、JSON、タブ区切り文字列等)にエンコード
このエントリでは、あるPHPの入門書を題材として、Ajaxアプリケーションの脆弱性について検討します。全3回となる予定です。 このエントリを書いたきっかけ twitterからタレコミをちょうだいして、作りながら基礎から学ぶPHPによるWebアプリケーション入門XAMPP/jQuery/HTML5で作るイマドキのWeという本を読みました。所感は以下の通りです。 タレコミ氏の主張のように、本書はセキュリティを一切考慮していない 主な脆弱性は、XSS、SQLインジェクション、任意のサーバーサイド・スクリプト実行(アップロード経由)、メールヘッダインジェクション等 脆弱性以前の問題としてサンプルスクリプトの品質が低い。デバッグしないと動かないスクリプトが多数あった 上記に関連して、流用元のソースやデバッグ用のalertなどがコメントとして残っていて痛々しい 今時この水準はないわーと思いました。以前
phpMyAdmin(3.3.10.2未満、3.4.3.1未満)には、リモートから任意のスクリプトが実行可能な脆弱性があります。このエントリでは、この脆弱性が発生するメカニズムと対策について報告します。 概要 phpMyAdminには下記の2種類の脆弱性の組み合わせにより、リモートから任意のスクリプトを実行させられる脆弱性があります。 CVE-2011-2505 CVE-2011-2506 該当するバージョンは以下の通りです。 phpMyAdmin バージョン3.3.10.2未満 phpMyAdmin バージョン3.4.3.1未満 影響を受ける条件は、上記バージョンのphpMyAdminを使用していることに加えて、以下をすべて満たす場合です。 setup/index.phpとsetup/config.phpを外部から実行できる phpMyAdminのconfigディレクトリが存在し、PHP
6月30日のsecure.softbank.ne.jp廃止*1にともない、みずほダイレクトにおいて、ソフトバンクの携帯電話からログインできなくなるという障害が報告されています(リリース)。 他の銀行はどうかと思い、軽く調べて始めたところ、モバイルバンキングでは今でもsecure.softbank.ne.jp方式が堂々たる主流であることが分かりましたので報告します。 secure.softbank.ne.jpを経由する銀行 以下は、ログイン画面のURLがhttps://secure.softbank.ne.jp/〜となっています。大手都市銀行は全てという感じです。 三井住友銀行 三菱東京UFJ銀行 みずほ銀行 りそな銀行 セブン銀行 じぶん銀行 住信SBIネット銀行 楽天銀行 新生銀行 secure.softbank.ne.jpはホワイトリスト方式で残されるということでしたが、上記モバイルバ
au/KDDIの技術情報サイトEZfactoryには、2011年秋冬モデル以降にEZwebの仕様変更がある旨表示されています。セキュリティ上の問題の可能性もあるため以下に報告します。 EZfactoryトップページでの告知内容 EZfactoryトップページには、2011年秋冬モデルでの変更を以下のように要約しています。 ※お知らせ※ EZブラウザは、2011年秋冬モデルにて、EZサーバを含め、「機能」及び「ネットワーク環境」の見直しを行ないます。 これによる主な変更点は以下のとおりです。 <主な変更点> ・EZサーバの言語変換機能が削除され、HDMLが非サポートとなる。 ・EZブラウザ、PCサイトビューアーのIPアドレス帯域が統一される。 今後EZブラウザ向けコンテンツを作成する場合は、XHTML Basicを推奨します。 http://www.au.kddi.com/ezfactory
ヨミウリ・オンラインを閲覧していて、ふと、ソーシャルブックマークのボタンが設置されていることに気がつきました。以下に引用します。 ご覧のように、twitterやfacebookの他、はてなブックマークにワンタッチで登録できるようになっています。ソーシャルブックマークのボタンにはヘルプボタン(右端の?)があり、ヘルプページにリンクしています。 ヨミウリ・オンラインにソーシャルボタン導入 ヨミウリ・オンライン(YOL)の記事に「ソーシャルボタン」、および「携帯に送るボタン」を設置しました。ソーシャルボタンはソーシャルサービス上で記事をブックマークしたり、関心を持った記事を手軽に友人・知人と共有したりすることができます。ぜひご利用ください。 【中略】 (2010年11月15日 読売新聞) http://www.yomiuri.co.jp/info/socialbutton/ 引用部分にあるように
2008年2月にパスワードの定期変更は「神話」なのか? - ockeghem(徳丸浩)の日記を書いた時の反応は、賛否両論という感じだったが、その後、twitterでのつぶやきなどを見るに、「パスワードは定期変更しなくてもいいんじゃない?」という意見は、セキュリティの専門家にも多くなっているような印象を受けている。 そのよう状況の中、以下の記事を読んだ。 辞書攻撃がうまくいかない場合、クラッカーは総攻撃(ブルートフォース攻撃とも言います)を仕掛けます。【中略】仮に1秒間に1000万回の計算ができるとすれば、パスワードのクラックに要する時間は1年にもなりません。どんなに強固なパスワードであっても、1年ももたないということになります。だからこそ、3カ月に1回とか半年に1回はパスワードを変更する必要があるのです。(2ページ目より引用) http://www.itmedia.co.jp/enterp
iモードブラウザ2.0では、同一ドメインであっても、iframe内のコンテンツがJavaScriptにより読み出せないよう制限が掛かっていることを確認しましたので報告します。 【追記】元の内容には、重大な事実誤認がありました。正確には、同一ドメイン・同一ディレクトリであれば読み出せます。詳しくは追記2をご覧ください。 きっかけ ケータイtwitter(twtr.jp)においてDNS Rebinding攻撃に対する脆弱性を発見・通報し、即座に修正された - 徳丸浩の日記(2010-02-22)にて既に紹介したように、twitter.comの日本のケータイ向けフロントエンドであるtwtr.jpにDNSリバインディング脆弱性があったことを確認・報告し、直ちに修正されました。このエントリの中に、以下のように書いています。 すぐに確認作業が終わるだろうと思っていたが、意外なところで失敗した。ログイン
i-mode2.0は前途多難 - ockeghem(徳丸浩)の日記にて報告したように、ドコモのiモードブラウザ2.0のJavaScript機能が5/28に停止されていたが、本日ケータイアップデートが準備されたので、深夜3時まで待たずに即座にアップデートを実行した。そして、JavaScriptが復活していることを確認した。 iモードブラウザ2.0のJavaScript « mpw.jp管理人のBlogで報告されているように、alert関数や、setRequestHeaderメソッドが無効化されていることを確認した。関数自体は削除されていないのだが、実行しても何もおこらない状態になっている。alertを無効化した理由は理解に苦しむが、setRequestHeaderを無効化したのは、携帯JavaScriptとXSSの組み合わせによる「かんたんログイン」なりすましの可能性で指摘したような危険性を
SQLインジェクションの進化形として、ブラインドSQLインジェクションという手法があります。通常のSQLインジェクションは、検索結果表示やエラー表示のところに、アプリケーションの想定とは別のテーブル・列の値を表示するものですが、ブラインドSQLインジェクションは、SQLの結果がエラーになる・ならないを1ビットの情報として悪用し、これを積み重ねることで、データベース内の任意情報を得ることができるというものです。 1ビットの情報が得る手段としては、SQLのエラー表示に限らないわけで、現実問題として、SQLのエラーが外部からは判別しにくい場合もあります。そのような場合の究極形として、時間差を利用するという手法があります。 MS SQL Serverには、waitfor delayという命令があって、時・分・秒指定でスリープさせることができます。金床本には、MySQLやPostgreSQLの場合の
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