藤澤知親 理学研究科 研究員(現・滋賀大学助教)、雀部正毅 同博士後期課程学生(現・理化学研究所職員)、曽田貞滋 同教授、長太伸章 国立科学博物館 研究員、高見泰興 神戸大学 准教授らの研究グループは、日本固有のオサムシ類、オオオサムシ亜属において、全ゲノム配列の解析を行い、雌雄の交尾器の多様化による急速な種分化が、交尾器形態に関係する限られたゲノム領域の変化で起こっていることを示しました。 昆虫をはじめとする節足動物、哺乳類や鳥類を含む多くの体内受精をする動物では、外見のよく似た近縁種の間で交尾器の形が明らかに異なることが知られています。交尾器形態の進化自体は、主に集団内の性選択によって引き起こされると考えられますが、交尾器形態の進化が種の多様化に直接結びつくことを明確に示した研究はありませんでした。 本研究成果は、環境適応とは無関係に起こる交尾器の進化が種の多様化を主導する要因となりう