Steamで初めてゲームを発売する4ヵ月前に宣伝を始めようとしたら、すでに何もかもが手遅れだった!?「目立つゲームが売れる」Steam市場の実態から学ぶ「縛りだらけのインディーゲーム開発」第3回
ゲームはおもしろい。マンガもおもしろい。だったらゲームについて描かれたマンガは、きっとおもしろい。 大昔、インベーダー印のキャップをかぶった出っ歯の少年は、プレイの最後に必殺技を放っていた。でも四半世紀ほどの昔、寡黙な彼女にモテていたガイル使いのアイツは、ひどく現実的で必殺技なんか放たないスタイルで闘っていた。 時代によって傾向が変遷しているこれら“ゲームマンガ”を読み、分類・整理・紹介すれば、きっとビデオゲームの置かれた現状など、“何か”が見えてくるのでは? そう思ったのがこの記事の発端だ。 対象としたのは、始祖『ゲームセンターあらし』以降、日本で手に入る“ゲームについての商用マンガ”。とはいえ、追跡しきれないほど膨大な数のゲームマンガがある。そこで今回は基本的に、 ・ゲームの原作となったマンガ ・ゲームをコミカライズしたマンガ ・ラノベがマルチ展開していくなかでコミカライズされているも
伝説のアドベンチャーゲーム『シェンムーIII』が95%オフの179円で購入できるセール開催。追加コンテンツが収録された“デジタルデラックスエディション”も234円と破格に。期間は11月6日まで
2016年12月、森岡毅氏のUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)退職のニュースは新聞各紙で報じられた。 ・USJ森岡執行役員退任へ ハリポタ手がけ回復の立役者:朝日新聞デジタル 彼の在籍した6年半で、USJは入場者数が倍増。ある月には、3倍の商圏人口を陣取る東京ディズニーランドを上回る集客があったという。 この期間、USJはいくつもの革新的な企画を打ち出してきた。実際にホグワーツ城を中心としたエリア『ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター』(2014年)や、「生存率0.003%」という異例の難しさのアトラクション『バイオハザード・ザ・リアル3』(2015年)、最近では「SUPER NINTENDO WORLD」の新設の発表など、森岡氏のもとでUSJは数々のコンテンツを大胆に調理してテーマパークに落とし込んでいったのである。 今回のインタビューは、そんな森岡氏の退職直前に話
国内の興行収入が247億円を突破し、海外でも「世界で最も稼いだ日本映画」になるなど、記録を次々と塗り替えている劇場アニメ『君の名は。』。 突き抜けるような空のタッチが印象的な『君の名は。』のキービジュアル。 (画像は「君の名は。」特報2より) だが、その新海誠監督は、元はといえばゲームソフトを開発・販売する日本ファルコム【※】に勤務していた。彼の「商業作品」の初期作が同社の『英雄伝説 ガガーブトリロジー』や『Ys II ETERNAL』のOPムービーだったことを知っている人は今、どれだけいるだろうか。ゲーム本体の開発にこそ関わっていないが、広い意味では新海誠は「ゲーム業界出身」といえるのだ。 『君の名は。』の原点は『Ys II ETERNAL』にあり 前回の連載でも述べたが、「イース」シリーズはアクションRPGに限らず、ゲームを「感動の時代へ」導いた画期的な存在だった。感動とは、「感情を揺
さる10月21日、ついに厚いベールを脱いだ任天堂の新型ゲーム機「NX(開発名)」改めニンテンドースイッチ。そのビッグタイトルのひとつが、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』だ。この30周年を迎えた「ゼルダ」シリーズは、ゲーム市場を牽引し続けたアクションRPGというジャンルを象徴する存在でもある。 『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』は2017年発売予定。(画像は同公式サイトより) 前回は初代『ドラゴンクエスト』(エニックス・1986)に至る国内・非アクションコンピュータRPG(以下、CRPG)の道のりを辿ってきた。80年代はじめ、海を渡ってやってきた海外CRPGというジャンル。その中でも人気の高かった『ウルティマ』(オリジン・1981)と『ウィザードリィ』(Sir-Tech・1981)の良いところどりをして、情報を整理するマルチウィンドウ、分かりやすいストーリーなど「ジャン
「いまさらメガドライブの新作ソフトを、しかもオフィシャルで2018年にリリースする!」そんな夢のまた夢の、無謀ともいえる計画をお届けする当連載。 今回はいよいよ、本丸・大鳥居にあるセガゲームスさんを直撃! お話を伺ったのは、前回登場していただいた中 裕司さんからのご紹介で、誰よりもセガを愛するセガ社員・奥成洋輔さん。セガの不朽の名作をニンテンドー3DSで蘇らせた「セガ3D 復刻プロジェクト」をプロデューサーとして手掛けるなど、レトロゲーム愛の強い人でもある。 いわば「根回し」も何もなく、ゲリラ的に始めてしまったこの企画。奥成さんも相当驚かれたようで……。 そんななか、はたして「セガのお墨付き」はもらえるのか? 楽しみは最後に取っておくことにして、まずは、奥成さんとセガとの出会いから伺うことに。 (楽しみといいつつ、いきなりコタエを聞くのが恐ろしくて、後回しにした感もある) 文/岐部 昌幸
『クロノ・トリガー』という作品を改めて振り返る時、『ドラゴンクエスト』(以下、ドラクエ)でもなければ『ファイナルファンタジー』(以下、FF)でもない、その独立した存在感の強さに驚きを覚える。 そもそも『クロノ・トリガー』は、ドリームプロジェクトとして情報を公開し、発売前から堀井雄二・坂口博信・鳥山明という『ドラクエ』と『FF』の作り手達の姿を強く押し出し、当時のエニックスと合併する前のスクウェアや、当時黄金時代を迎えていた『週刊少年ジャンプ』の影響を色濃く受けた作品である。そのような企画色の強い作品は、往々にして時代の徒花としてやがて忘れられ、たまに懐かしく思い出される程度の存在になりがちだ。しかし、本作はそのような制作状況や時代状況を超えた存在感を現在に至るまで放ち続けている。 SFC版クロノ・トリガーのパッケージ(画像はAmazon.co.jpより) TIME誌の選ぶ「歴史上で最も偉
前回はCRPG、つまりコンピュータ用RPGの誕生から初代ドラクエが登場する前夜までをざっと駆け足で追いかけ、その逆境に、初代ドラクエはいかにして立ち向かったのかまでを書いた。 一言でいえば、そのキーワードは「編集」だ。編集とは、文章や画像、映像など様々な素材を整理し、一定の形にまとめ上げて客に届けることにある。書籍やWebメディア、アニメや実写映画などエンターテイメント全般で行われている作業である。 ゲームはそれ以前のメディアーーテキストや一枚絵、動画や音響などあらゆる素材をプログラムに組み込んだ総合エンタメだ。情報の洪水にさらされることに慣れた現代人にとっても「編集」は必須であり、そのうまい下手はPVや売上に跳ね返ってくる。 ましてファミコンに夢中になっていた子供たちにとって、CRPGは初めてづくしであり「情報の塊」だった。マップで世界を眺め、文字でメッセージを受け取り、モンスターと「た
【ゲーム語りの基礎教養:第一回】初代ドラクエはRPGへの逆風の中に生まれた――“ドラクエ以前”の国内RPG史に見る「苦闘」の歴史 今回から連載を始めるのは、ゲームライターの多根清史さん。『教養としてのゲーム史』『日本を変えた10大ゲーム機』などの硬派な著書から、『超クソゲー』などでのクソゲー紹介レビューまで手がけてきた、その広範な知識のもとにゲーム史を体系的に語りおろしていただきます。 まず最初の数回で扱うテーマは、RPG。その歴史をドラクエ以前から整理して、ドラクエの画期性がどこにあったかや、ゼルダなどのアクションRPGとの関わりなどを分析していきます。 初代『ドラゴンクエスト』(エニックス・1986)はどうやって生まれたのか。それに対する模範解答とされるのは乱暴にまとめればニつになる。 ドラゴンクエスト誕生30周年記念ポータルサイトより 一つは「『ウィザードリィ』(Sir-Tech・1
ブロガー・hamatsuさんの連載コラム「なんでゲームは面白い?」。第二回は、伝説の漫画編集者・マシリトこと鳥嶋和彦氏がゲーム業界へ与えた影響に迫った「ゲームの企画書」特別編について。 今や国民的RPGの二大巨頭として知られる『ファイナルファンタジー』と『ドラゴンクエスト』。それぞれのタイトルが辿ってきた軌跡を、当時の空気感たっぷりに語って頂きます。 『ファイナルファンタジー(以下FF)』が『ドラゴンクエスト(以下ドラクエ)』と並び立つ存在になったのはいつからだろう? 人によって意見は分かれるだろうが、任天堂系ハードからソニーの初代プレイステーションに電撃移籍し、大々的なプロモーションを経て発売に至った『FFVII』がリリースされたタイミングを挙げる人は多いのではないかと思う。このタイトルはシリーズ初の国内300万本超えのセールスを達成するに至った。この時点で『FF』は間違いなく『ドラクエ
今度は「信長の野望」14タイトルを一気にプレイ。着実に進化を続けてきたシリーズの歴史を振り返る ライター:徳岡正肇 12→ シリーズ最新作「信長の野望 創造 戦国立志伝」のイメージビジュアル コーエーテクモゲームスは,設立以来さまざまな歴史シミュレーションゲームを世に送り出してきた。会社としての第1作でもある「川中島の合戦」に始まり,ジンギスカンを扱った「蒼き狼と白き牝鹿」,明治維新を舞台にした「維新の嵐」,ナポレオン戦争をテーマとする「ランペルール」,太平洋戦争を戦う「提督の決断」,オンラインゲームにもなった「大航海時代」などなど,実に多種多様だ。 その中でも特に有名なのが「信長の野望」と「三國志」シリーズであることには,議論の余地がない。「信長の野望」と「三國志」は,コーエーテクモゲームスの歴史シミュレーションにおける二枚看板と言っていいだろう。 その二枚看板の1つである「信長の野望」
インターネットが発達した少し未来の物語、大胆なアレンジながらも見たものを引き付けるイラスト、兄弟愛を描いた泣けるストーリー、ゲームボーイアドバンスの音源を最大に生かしたサウンド、アクションゲームとカードゲームを融合させた唯一無二のシステム――本日2016年3月21日で15周年を迎える『ロックマン エグゼ』は、これらの要素が絶妙に合わさった名作シリーズです。 インサイドではこの15周年を記念し、『ロックマン エグゼ』を手がけていたメンバーによる座談会を企画。名人としてシナリオを手がけた江口正和氏、デザイナーの加治勇人氏、石原雄二氏、中島暁子氏、メインプログラマーの松田幸悦氏という豪華メンバーに集まって頂き、時間の許す限り当時の話を伺ってきました。 内容はナンバリング作品にフォーカスし、事前に実施した読者アンケートの結果を元に構成。シリーズの誕生秘話はもちろんのこと、各分野のこだわりや、大会で
日本のコーエーテクモゲームス(当時 光栄)が初の歴史シミュレーションゲーム『川中島の合戦』を発売したのはいつか? ――正解は、1981年である。 そのときには、まだパソコンでゲームをする文化自体が相当にマイナーな楽しみに過ぎなかった。有名なパソコン版の『シヴィライゼーション』が発売されたのでさえ、ずっと後のことである。しかし、そのゲームは、紡績業を営んでいた光栄という会社が大きく業態を変えていく転換点になるほどの話題を日本で獲得した。 その2年後、彼らは『信長の野望』という大人気歴史シミュレーションゲームを生み出した。コーエーテクモホールディングス社長・襟川陽一氏ことシブサワ・コウは、それをRPGや司馬遼太郎の小説をヒントに作り上げたという。我々の遊んできたこうした『信長の野望』などの歴史シミュレーションゲームは、実はコンピュータゲーム史にほとんど忽然と登場したゲームに近い。 『ファミコン
過去の名作ゲームの企画書を見てもらいながら開発秘話を聞くシリーズ「ゲームの企画書」。連載2回めとなる今回は、人気シリーズ『桃太郎電鉄』を長期にわたって手がけてきた、さくまあきら氏に『桃鉄』誕生秘話を聞いた。 『桃鉄』といえば、放課後に友達の家に集まって遊んだり、あるいは大学時代にサークルの部室で遊んだり、という記憶が誰しもあるような、”国民的ゲーム”の一つ。しかし、そのゲームデザインについて真剣に語られることは、あまりにも少ない。 ボードゲームに鉄道の要素を盛り込んだシステムが人気を博した『桃鉄』は、シリーズ累計売上1,500万本を超える。第1作目『桃太郎電鉄』が1988年に登場して以来、携帯アプリ・ボードゲームも含め、39ものタイトルを展開してきた。画像は2008年発売の『桃太郎電鉄20周年』。 一方で、制作者のさくまあきら氏は、『ドラゴンクエスト』の堀井雄二氏や『俺の屍を越えてゆけ』の
「三國志」ナンバリングタイトル12作を一気にプレイ。最新作の発売を前にシリーズの歴史を振り返る“三國志マラソン”で見えてきたものとは ライター:徳岡正肇 12→ 初代「三國志」メインビジュアル 三國志シリーズは,言わずと知れたコーエーテクモゲームスの歴史シミュレーションゲームだ。同社がまだ「光栄」という社名だった1985年に初代作品となる「三國志」が発売された本シリーズは,ナンバリングタイトルだけでも実に12作品がリリースされており,2016年1月28日には,最新作「三國志13」(PC / PS4 / PS3 / Xbox One)が発売される。 古代中国の三国時代における戦争と,それを舞台にした時代小説「三国志演義」をモチーフとしたゲームは無数に存在するが,本シリーズはそれらを代表するものと言ってしまってもいいだろう。 そんな三國志シリーズだが,12作品が30年にわたり作られてきただけあ
説得力のある「夢」に乗ることは、ソニー・スピリットの実践に他ならない。法務、コンプライアンス、人事、ソフト営業、アーティスト・リレーション……プレイステーションを立ち上げ、大きな産業にしていくプロセスのなかで、久夛良木健がつくづく実感したのは「ソニーがすごい人たちを惹き付けていた」という事実だった。本誌2012年11月号に開始した人気連載「盛田昭夫 グローバル・リーダーはいかにして生まれたか」(のちに単行本化を予定)。 「プレイステーションという名前はダメだ」 1993年3月には、米国ソニーに赴任していた徳中暉久が任期途中で呼び戻され、コンピュータ・エンタテインメント準備室長に就任。EPICソニーの移転で空いた青山ツインタワーのフロアーにエンジニアを集め、技術の完成を急ぐ久夛良木健たちを、「“徳”の徳中」と呼ばれる人柄と明快な論理で守り、本社からの厳しい風当たりを和らげた。 一方、丸山茂雄
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