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ブックマーク / hb.matsumoto-r.jp (16)

  • 非厳密計算で確率的に解釈するコンピューティングへの流れ - 人間とウェブの未来

    ここ数ヶ月、沢山の国際会議や自分の専門分野外のトップカンファレンスに採録されるような多種多様な研究発表を聞いていた。そんな中、自分の中で各発表に共通するコンピューティングの流れみたいなものが少し見えてきた気がするのでメモしておく。 機械学習やコンピュータビジョン、ヒューマンインターフェース、コンピュータセキュリティ、計算機アーキテクチャ、量子コンピューティング等のトップカンファレンス発表報告を聞く中で、印象的だったのは、まさに新しい発見という研究もある中で、もはや枯れた技術で確立されたアーキテクチャにおいて、新たな貢献を示す研究があったことだ。例えばデータベースにおけるメモリ管理の話やCPUのパイプライン処理の効率化、スパコンの文脈におけるネットワーク通信の高速化の話など、いずれも登壇者が冒頭で随分と研究されてきた確立されたテーマであることを述べていた。 そういった確立された領域の中で、ど

    非厳密計算で確率的に解釈するコンピューティングへの流れ - 人間とウェブの未来
  • 技術者が研究者のように論文を書くメリットはあるか - 人間とウェブの未来

    一度大学・大学院を修了した後に、研究職以外に就職した技術者は論文を書かなくなる事がほとんどだと思います。 僕は、一度インターネットのウェブサービスに関する企業で技術者をした後に、大学院に入りなおして同様の分野で論文を書き、現在再度技術者をやっているわけですが、技術者でも論文を書くメリットが ある と思っています。 以降でメリットについて述べますが、これらのメリットをまとめて手軽に享受できるツールって他にあんまりないんじゃないか(僕が思いつかないだけかも)と思ったので、この記事を書くに至りました。 というわけで、それを簡単にまとめます。 技術者が論文を書くメリット まずはざっと箇条書きします。 自分の考えた技術や既存の技術の調査、比較の試行錯誤を丁度良い分量でまとめられる 良い文章構成になるような書き方の知見が溜まってるので書きやすい 書き方の知見にのっとって文章にまとめることで、頭の中や提

    技術者が研究者のように論文を書くメリットはあるか - 人間とウェブの未来
  • なぜエンジニアの僕は論文を読み論文を書くのか - 人間とウェブの未来

    という話を新卒エンジニア研修座学の最終回で発表しました。 昨日ちょうど、ペパボ研究所の2017年の実績をまとめており、まだまだ国際化は足りていないものの、だいぶ論文を書いたりしているなぁと改めて思いました。 rand.pepabo.com 実績はサマリーは以下の通りになります。博士学位論文を書きながらも、所長を含めて研究員4名でできたばかりの研究所で、雑誌や書籍やエンジニア技術カンファレンスもこなしながらよくここまで書けたなと振り返って思います。 博士学位論文 1 ジャーナル論文集招待論文 1 ジャーナル論文 1(予定) 査読付き論文 1 査読なしの研究報告 6 口頭発表 20(後2追加予定) 学会誌・商業誌解説等 4 助成金・研究費等 2 論文を読んだり書いたりするペパボ研究所において、大企業が持つ研究所とは違い、なぜWebサービスに関わる企業がなぜ研究所を持ち、論文

    なぜエンジニアの僕は論文を読み論文を書くのか - 人間とウェブの未来
  • viを:wqや:q!、あるいはZZで終了するのとではどちらが効率的か - 人間とウェブの未来

    後ろの方に追記をいくつか書いているのでそちらも是非参照ください 今日さくらインターネット研究所の雑談タイムで、viの終了時には:wqや:q!とかで終了するよりもZZで終了すべき、という話題が出た。 ここで簡単に整理しておくと、 :wqはファイルを上書き保存して終了 :qは上書きせずに終了 ZZ はファイルに変更があれば保存して終了、なければ上書きせずに終了 というコマンドである。 最初はZZ便利だよなぁと思っていたけど、確か過去にZZだとやりにくいところがあって使うのをやめた記憶があった。それで色々話をしていると、やっぱりZZを使った方が良いケースが思いつかなかった。 そこで、ZZいらんでしょ、などと発言したりしていたのだった。 といのうも、僕のviの終了するパターンとしては、 まず:qを押す 変更がなければそのまま終了、変更があれば変更があるよとwarningが出て終了できない warn

    viを:wqや:q!、あるいはZZで終了するのとではどちらが効率的か - 人間とウェブの未来
  • 現場の技術を知らずに研究するコンプレックスについて - 人間とウェブの未来

    僕は大学時代に研究を続けたかったのだけど、当時アルバイトとして働いていたレンタルサーバー会社の中の取り組みがとても高度に思えて、こういう状況を知らずに研究を続けるのは怖いと思って、大学院に行かずに就職した。そして、3年後になんとか大学院に再び入り直すことができたし、博士課程での研究では随分と会社で学んだ運用技術をネタにした研究をすることができた。 これまで、僕は運用技術をネタに研究をやってきたのだが、研究に専念すればするほど、その経過時間だけ新たな運用技術の時代背景や細部も変化していき、それを個人としてうまくキャッチアップして研究につなげていくことが非常に困難であることに数年前から気づき始めた。でも、自分自身はそれを素直に受け入れることができず、どうにか自分の現場の経験があることを武器に研究をすることにこだわっていた。しかし、それも誤魔化しきれない程に、少しずつ少しずつ限界が来ていたし、自

    現場の技術を知らずに研究するコンプレックスについて - 人間とウェブの未来
  • 分散型データセンターOSとリアクティブ性を持つコンテナ実行基盤技術のこれから - 人間とウェブの未来

    エントリはさくらインターネットアドベントカレンダー2018の12月25日の記事です。メリークリスマス!!!!! 12月24日は、echizenya yotaさんの「さくらインターネット株式会社の田中邦裕社長からクリスマスプレゼントをもらう方法」でした。 ということで、今日は @matsumotory が 「分散型データセンターOSとリアクティブ性を持つコンテナ実行基盤技術のこれから」について書いてみようと思います。 現状のgVisorやFirecrackerをはじめとするコンテナ実行基盤技術の公開に伴って、個人としてはこれからますます分散型データセンターOSのような基盤と、その上で実行されるリアクティブ性を持つコンテナ実行環境が重要になってくる時代がはじまるように思っています。 今日は、そのあたりについての自分の考えと、その流れを見据えて現在開発しているミドルウェアを2つ紹介したいと思い

    分散型データセンターOSとリアクティブ性を持つコンテナ実行基盤技術のこれから - 人間とウェブの未来
  • 「FastContainerをメール基盤へ適用 - 精緻に制御可能な恒常性のある高集積マルチアカウント型のメール基盤」の予稿を公開します - 人間とウェブの未来

    第3回 Web System Architecture 研究会で登壇してきました。その予稿とスライドを公開します。 今回も大変おもしろい発表ばかりで、発表15分議論15分という研究会ですが、大体議論が盛り上がって議論30分になったりしていました。各発表もそこからさらに洗練されたり新しいアイデアが生まれたりしてとても良い創発ですね。そして最も大切なのはそれを楽しんでいることだと思えました。これからもそういう気持ちを忘れずに、思考を深めていきながら汎用化することに挑戦することを皆で継続していけたら良いなと思っていますし、何より新しく参加したいと思った方が、障壁なく参加できるように活動していきたいと考えています。 websystemarchitecture.hatenablog.jp 以下、予稿です。 共著 概要 1. はじめに 2. 高集積マルチアカウント型のメールシステムの流量制御の課題 2

    「FastContainerをメール基盤へ適用 - 精緻に制御可能な恒常性のある高集積マルチアカウント型のメール基盤」の予稿を公開します - 人間とウェブの未来
  • GMOペパボ株式会社を退職しました - 人間とウェブの未来

    日、2018年9月28日が最終出社日でした。正式には10月末をもって、チーフエンジニアとして務めたGMOペパボ株式会社、また、主席研究員として務めたペパボ研究所を退職します。 現職には2015年4月に入社後、実際には入社前から関わりがあったため、それも含めると約4年間、当に様々な取り組みを行ってきました。チーフエンジニア兼主席研究員として取り組んできた仕事の中で、社外にアウトプットして伝えてきたこと以外の、より社内業務的な内容はなかなか言語化する機会がなかったので、それらを振り返りつつ、転職に至った経緯をお話ししてみます。 2015年入社当時のペパボ福岡の雰囲気は今でもよく覚えており、良くも悪くも様々なところで血気盛んなメンバーによる争いの絶えない雰囲気がありました。 レンタルサーバ、所謂ホスティングサービスという歴史あるサービスを運営していることもあり「Webサービスに関する知見やア

    GMOペパボ株式会社を退職しました - 人間とウェブの未来
    alcus
    alcus 2018/11/07
  • OSレイヤでWebサーバが起動時に実行するシステムコールを監視し起動完了直前のプロセスをイメージ化する - 人間とウェブの未来

    今回は、Webサーバの実装に依存することなく、OSレイヤでWebサーバソフトウェアが起動時に実行するであろうシステムコールを監視して、そのタイミングでプロセスをイメージ化する方法(PoC)について紹介します。 その前に、まずは前提の一致ということで、僕は以前から、Webサーバプロセスの性質について、プロアクティブ性とリアクティブ性という分類について述べてきました。 プロアクティブ性とリアクティブ性について簡単にまとめると、以下のようになります。 Webサーバ機能のプロアクティブ性とリアクティブ性 突発的なアクセス集中のような変化に耐えうるシステムを構築するためには,負荷の状態に基いて適切なインスタンスの数を決定し,必要以上にコンピュータリソースを使用しないように設計することも重要である. 単一のサーバに高集積にホストが収容可能であり,ホスト単位でのリソース管理を適切に行いながら,セキュリテ

    OSレイヤでWebサーバが起動時に実行するシステムコールを監視し起動完了直前のプロセスをイメージ化する - 人間とウェブの未来
    alcus
    alcus 2018/04/25
  • ガンプラの全塗装プロセスは現代のソフトウェア開発プロセスそのものであると気づいた - 人間とウェブの未来

    最近ガンプラ(ガンダムのプラモデル)の全塗装をやっているわけですが、僕がガンプラ全塗装でやっているプロセスは、まさに現代のソフトウェア開発プロセスのなんたるかを擬似的に短期間で凝縮して体験できる優れたプロセスである、と思わされましたので、それについて書きたいと思います。 僕のガンプラ全塗装のやり方を大まかにまとめると、 説明書チェック 各パーツの処理をしながら組み立てる 一度全てのパーツを仮組みし塗装箇所や全体の塗装行程を検討 全て分解して塗り分けパーツごとにパーツを分離 全塗装 再度仮組み後にスミ入れとデカール貼り 必要であれば再度分解してトップコート 完成 という手順になるわけですが、えっ、これってまさに今のソフトウェア開発プロセスそのものじゃないですか、作りたいソフトウェアなくてもそこそこのソフトウェア開発プロセスが今すぐにでも体験できるじゃないですか、ソフトウェア開発プロセスから入

    ガンプラの全塗装プロセスは現代のソフトウェア開発プロセスそのものであると気づいた - 人間とウェブの未来
    alcus
    alcus 2018/02/20
  • 2018年の抱負 - Webホスティングサービスの技術を体系化したこととその意図について - 人間とウェブの未来

    2018年の電子情報通信学会論文誌BのVolume J101-B No.1(発行日:2018/01/01)「ネットワーク社会に向けたインターネットアーキテクチャ論文特集」に、我々が執筆した「Webサーバの高集積マルチテナントアーキテクチャと運用技術」という招待論文が掲載されました。オープンアクセスで誰でもダウンロードして読むことができますので是非ご覧下さい。 2018年のIEICE論文集の第1号に我々が執筆した「Webサーバの高集積マルチテナントアーキテクチャと運用技術」という招待論文が掲載されました。オープンアクセスですので是非ご覧下さい。 / “IEICE SEARCH SYST…” https://t.co/LbYkHPDQg4— 松 亮介 / まつもとりー (@matsumotory) 2018年1月1日 また、論文誌の最初に吉田先生による「ネットワーク社会に向けたインターネット

    2018年の抱負 - Webホスティングサービスの技術を体系化したこととその意図について - 人間とウェブの未来
    alcus
    alcus 2018/01/05
  • エンジニアリングや研究開発について思うこと - 人間とウェブの未来

    エンジニアリングや研究開発について思うことをこれまで色々とツイートしたりしてきたが、それを改めて短編エッセイ集のようにまとめて整理し、自分の行動原理や思考を言語化して振り返っていた。以下目次。 基礎を学び古典を知る サーベイと評価の重要性 論文という学習と貢献を両立する手法 企業でのスペシャリストに求められるさらなるスキル 技術への深入りの効能 インフラエンジニアのキャリア再び 技術という真にフェアな領域 エンジニアへの動機付けと教育 知識をコードで表現する専門職としてのエンジニア 技術に対する思考 技術力の醸成による先行報酬 エンジニアアウトプットと個人の実績 アカデミアか企業か家族か 楽しいことと貢献とその評価を重ねる 技術と自由 技術が目的 基礎を学び古典を知る 技術力を高めたい、成長したいという前提において、基礎を学ばずに発想で勝負などと、勉強もせずに過去の天才達とに渡り合うほど

    エンジニアリングや研究開発について思うこと - 人間とウェブの未来
  • Pmilter: Programmable Mail Filter Serverを作った - 人間とウェブの未来

    Pmilterというサーバソフトウェアを作りました。 github.com PmilterはProgrammable Mail Filterの略で、SMTPサーバ(送信や受信)とmilterプロトコルで通信し、SMTPサーバの送受信の振る舞いをRubyでコントロールできるサーバソフトウェアです。 これまでにも、milter managerやRubyのgemを使ってmilterサーバを作るといった素晴らしいソフトウェアがありました。ですが、今回僕がフルスクラッチで作りたかった理由としては、 とにかくインストールや設定がシンプルで運用しやすいサーバソフトウェアにしたい ミドルウェアとして振る舞いを設定する感覚でRubyで制御する事に専念したい 依存ライブラリを減らしワンバイナリでサーバに配置できるようにしたい 設定変更に再起動することなくRubyを変更するだけで振る舞いを変えられるようにしたい

    Pmilter: Programmable Mail Filter Serverを作った - 人間とウェブの未来
    alcus
    alcus 2017/07/31
  • FastContainerアーキテクチャ構想 - 人間とウェブの未来

    追記:この記事へのコメントとして、この記事以上に内容の趣旨を端的かつ完璧に表しているコメントがありましたので、まずはそれを紹介しつつ、引き続き呼んで頂けると幸いです。 FaaS的だけど「アプリ側の構成も基盤側に合わせて変えるべき」路線なFaaSに対し「アプリは従来のままでもちゃんと動くよう基盤側が頑張るべき」という基盤側の矜持を感じる by takahashim FastContainerアーキテクチャ構想 - 人間とウェブの未来 FaaS的だけど「アプリ側の構成も基盤側に合わせて変えるべき」路線なFaaSに対し「アプリは従来のままでもちゃんと動くよう基盤側が頑張るべき」という基盤側の矜持を感じる2016/11/13 18:25 b.hatena.ne.jp 素晴らしいまとめの一言です。それがまさに構想に至った意図でございます。僕もこんな趣旨をかけるようになりたいです。上記の的確なコメン

    FastContainerアーキテクチャ構想 - 人間とウェブの未来
    alcus
    alcus 2017/01/04
  • 技術的アウトプットが必要な時代に求められる心構えと社外発表の頻度を増やす事の副次的効果 - 人間とウェブの未来

    この話については、僕が専門としているWebサービス関連の業界におけるお話だと思って下さい。ただ個人的には、もう少し広範囲でも適用できる話なのではないかなとも思っています。 ということで、早速アウトプットすることのメリットから簡単に今の現状をまとめて今後エンジニアはどういう心構えで取り組んでいけば良いか、その中で、社外発表することのメリット、その社外発表の頻度を高める事の副次的効果についてまとめていきます。 アウトプットすることのメリット アウトプットする事やOSS化する事のメリットは、自分も含めて最近随分と語られるようになってきております。ここではそれについてあまり詳細に語る事は省略して、メリットを箇条書きでまとめると、 自分の技術が整理され、振り返りも容易になる フィードバックが得られる 自分の技術とその他社外のエンジニア技術を足しあわせての技術検討(開発)が可能になる 自社だけでなく

    技術的アウトプットが必要な時代に求められる心構えと社外発表の頻度を増やす事の副次的効果 - 人間とウェブの未来
  • IPSJ-ONE 2016で登壇してきた - 確実に時代は変わってきている #ipsjone - 人間とウェブの未来

    先日、慶応義塾大学で開催された情報処理学会全国大会のトリのビッグイベントであるIPSJ-ONE2016で登壇してきました。 IPSJ-ONEとは、 IPSJ-ONEは、時流に乗る日の若手トップ研究者19名によるライトニングトーク形式の登壇を俯瞰することで、 今後の情報社会に向けての研究動向を広く一般の人々に発信するために企画されました。 今、最先端研究を知ることは、ビジネスや学生の進路決定、メディア戦略などに繋がります。 「IPSJ-ONE」では、そうした最先端研究を一流の研究者による平易な解説で聞くことができます。 情報処理学会では、現在39分野の研究会にて各分野の専門家たちが日々議論を深めています。 今回も昨年に引き続き、各研究会による推薦、IPSJ-ONE企画・実施委員会による審査により、分野を超えたインパクトを有する19名の気鋭の研究者を招待いたしました。 それぞれ約5分の持ち時

    IPSJ-ONE 2016で登壇してきた - 確実に時代は変わってきている #ipsjone - 人間とウェブの未来
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