星空の砂金採り ~ 「あかり」による世界最大の小惑星カタログ 赤外線天文衛星「あかり」全天サーベイ観測の膨大なデータから、砂金採りのように小惑星の存在のわずかな形跡を1つ1つ探し出し、小惑星カタログが作られました。このカタログには小惑星5120個が掲載されており、小惑星の大きさを収録したものとしては世界最大のものです。日本の天文衛星によって世界中の研究者が参照するデータベースを提供するという意義は大きく、小惑星の詳細な研究が国内外でさらに発展することが期待されます。 この数年で、惑星科学、中でも小惑星に関する研究は飛躍的に進展を見せています。特に、小惑星探査機「はやぶさ」のように、小惑星を訪れてその場で観測したり、その岩石試料を地球に持ち帰ったりすることすら可能な時代になりました。しかし、小惑星は現時点で50万個以上の存在が知られていて、そのすべてを訪れるわけにはいきません。そこで天文観測