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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/ikedanobuo (21)

  • イタリアはなぜIPTVのリーダーになったか - 池田信夫 blog

    DailyIPTV誌の今年の回顧によると、世界のIPTVのリーダーはイタリアだ。各国のIPTVサービスが赤字に苦しむ中で、イタリアのISP、FastWebのユーザーは今年40%増、利益は60%増で、1999年の創業以来はじめて黒字になる。テレビ局と提携して地上波テレビ番組をすべてネット配信し、同時録画してオンデマンド配信するサービスまで開始した。これはHDDレコーダーをISP側にもつようなもので、視聴者は放送時間を気にしないで番組表(EPG)から選んで番組を見ることができる。 このように包括的なテレビ番組のネット配信サービスは、世界に類を見ない。放送の同時再送信はケーブルテレビや衛星放送に認められているが、オンデマンド配信についてはBGM1曲にまで個別の許諾が必要なので、この交渉が最大の障壁になっている。これに対してイタリアでは、音楽・映像などすべての権利を一括して管理する芸術家のギルド

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    antipop 2007/12/29
  • 古典的自由主義の復権 - 池田信夫 blog

    オンライン・マガジン、reasonの編集者の書いたリバタリアニズムの入門書。副題に"freewheeling history"と書いてあるように、あまり理屈にこだわらず、アメリカの自由主義の歴史を人物中心に追っている。これを読むと、リバタリアニズムは思想や主義というより、アメリカ人のライフスタイルだということがわかる。それが日で受け入れられない理由でもある。 著者も指摘するように、リバタリアニズムは新しい思想ではなく、合衆国憲法に書かれている古典的自由主義である。ニューディール以後、リベラリズムが政府の介入を求める政治思想をあらわす言葉として使われるようになったため、libertarianismという変な英語(日語ではいまだに定訳がない)がつくられたが、アメリカの民主党に代表されるイデオロギーは、フェビアニズムの系譜の「社民主義」に近い。 ところが、このアメリカ的な思想に理論的な支

  • 音楽と政治 - 池田信夫 blog

    には、客観的な音楽批評が成立していない。レコード会社に勤務する友人の話では、営業の大事な仕事音楽評論家の先生を接待し、ライナーノーツを書いてもらって「原稿料」として多額の賄賂を出し、音楽雑誌でほめてもらうことだという。そもそもライナーを書いた人物が堂々とそのCDの批評を書く音楽雑誌なんて、世界のどこにもない。 その結果、『レコード芸術』などでほめられる指揮者や演奏家は、20年ぐらい前からほとんど変わらない。フルトヴェングラーやベームなどの巨匠の「名盤」がいつまでも推薦される一方、古楽器などの新しいスタイルはほとんど紹介されず、現代音楽は無視に近い。これに対して、海外(特にアメリカ)の批評の特徴は、20世紀の音楽に大きなスペースをさいていることだ。書は、New Yorkerの批評家が現代音楽をその歴史的背景との関係で論じたもので、「音楽からみた20世紀の歴史」ともいえる。 音楽

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    antipop 2007/12/02
  • 池田信夫 blog 厚労省にはフリーターが見えないのか

    一昨日の記事には、予想以上にたくさんのコメントがついたが、驚いたのはhamachanなる人物が「半分だけ正しい知識でものを言うと・・・」という記事で、私を「半可通」などと罵倒してきたことだ。このhamachanとは、濱口桂一郎。「天下り大学」として有名なGRIPSに厚労省から天下った人物らしい。 彼は、私が「労組は『正社員』による独占を守る組織なのだ」と書いたのに対して「ありえない」と批判しているのだが、その直後に「日の企業別組合というのは[・・・]まさに『正社員による独占を守る組織』なのである」と自分で書いている。一つの記事の中で矛盾したことを書くのは、先日の山形某と同じく頭がおかしいと思われてもしょうがないが、問題はそのことではない。 hamachanは「組合へのメンバーシップがキモなのであって、企業へのメンバーシップとはまるで方向が正反対」というように、企業と労組は「正反対」で

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    antipop 2007/09/26
    まったくその通りだと思うなぁ。
  • Freakonomicsが引越し - 池田信夫 blog

    いつも読んでいるFreakonomicsが、いつのまにかNYタイムズのブログ欄に引っ越していた。タイムズはもともと記者ブログを早くから導入していたが、外部のブログをそのまま取り込むのは初めてだ。営業政策としては、毎日数万のアクセスがあるFreakonomicsを取り込むのは正解だと思うが、書くほうとしてはどうなのだろうか。まぁ原稿料をもらえるのはいいとして、タイムズの記事の批判は(少なくとも積極的には)しにくくなるだろう。 日では、イザ!が似たような読者ブログを入れているが、これは普通のブログと同じく何でもありなので、玉石混交で読むに耐えない。むしろNYタイムズに近い形で、編集部が掲載に値すると判断したブログだけを掲載し、原稿料を払ってはどうだろうか。あるいは「アルファブログ」だけを集めてニュースサイト風に整理したサイトが出てきてもいい。こうして読むに値するものだけを集め、原稿料も払っ

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    antipop 2007/08/11
    フィードが全文配信じゃなくなってる!!!移転反対!!!!!!!!!!ほんとクソだな。/ごめん、勘違いだった!全文配信してた!NYT最高!!!/やっぱり全文じゃなかった!!!!!!!バカー!!!
  • レッシグの「これからの10年」 - 池田信夫 blog

    レッシグが、知的財産権の問題から「チャンネルを変える」と宣言して、話題になっている。私も、彼の気分はわからないでもない。彼を2001年に日に初めてまねいたのは私だが、それ以来、彼との会話はいつも同じ暗い話ばかりで、状況は悪くなる一方。こんなことをやっていたら学者として終わってしまう、という彼の焦りもわかる。 しかし彼が「腐敗」を新しいテーマにするというのはいただけない。それは民主主義にとって質的な問題ではないからだ。この種の問題については、経済学で既存の研究がたくさんあるが、その代表であるGrossman-Helpmanの分析によれば、根的な問題は「1人1票」という普通選挙制度にある。私の1票が選挙結果に影響を与える確率は(田舎の村長選挙でもないかぎり)ゼロだが、投票に行くコストは私が負担するので、投票は非合理的な行動なのである。 したがって政治に影響を与えようとする人々にとって

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    antipop 2007/06/23
  • インターネット社会主義の終焉 - 池田信夫 blog

    先日のIPv4の記事へのコメントで、おもしろい話を教えてもらったので補足しておく。 今年3月に開かれたAPNICの会議で、JPNICはIPv4の割当をやめてv6への移行を促進する"IPv4 countdown policy"を提案して、却下された。この提案についてARIN議長のRay Plzak氏は「IPv4は枯渇しない。その対策としてはv6だけではなく、市場化によってv4のアドレスを再利用することも考えるべきだ」と批判している。これに対して、JPNICの荒野氏も「市場化を検討することは必要だ」と同意している。アドレスの市場化は、5年前にも私が提案したが、JPNICに拒否された。それに比べると、やっと「検討」するところまで前進したのはめでたいことだ。 そもそも市場が機能していれば、枯渇は論理的にありえない。比喩で説明しよう。土地は有限な資源だが、土地が枯渇するという人はいない。国有地が

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    antipop 2007/06/14
  • 池田信夫 blog - NHKを「著作権特区」に

    NHKが、視聴者に契約を強制しようとしている。受信料支払いの義務化が「2割値下げ」とともに葬られてしまったため、なりふり構わず取り立ての強化をはかっているようだ。しかし受信契約を強制する放送法の規定は、民法の「契約自由の原則」に反するのではないかという批判は以前からある。こんなことをしても視聴者の反発を強め、徴収コストがかかるだけで、増収になるとは思えない。 他方、NHKの手であるBBCは、YouTubeに3つのチャンネルを持って番組を提供し始めた。彼らは、以前からCreative Commons Licenseによるアーカイブの公開を進めており、今回の動きは「BBCはもはや放送局ではない」というトンプソン会長のビジョンに沿うものだ。この背景には、「肥大化」への批判や民営化の圧力が強まる中で、BBCが「準国営」の経営形態を続けるための戦略がある。 BBCやNHKのように税金に準じる形

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    antipop 2007/05/16
  • 天下りの経済学 - 池田信夫 blog

    公務員制度改革は、官邸と霞ヶ関の全面対決の様相を呈してきた。自民党内でも、官僚OBの議員を中心に消極論が強い。彼らも指摘するように、天下りを禁止して「人材バンク」をつくるという政府案は、機能するかどうか疑わしい。天下りは官僚の生涯設計や技能形成と補完的なシステムであり、業務全体を見直さないで天下りだけを禁止すると、弊害が出るおそれが強い。 今はどうか知らないが、私の学生時代には、成績の1番いい学生は官庁に行き、その次が学者で、その次が銀行だった。農水省から内定をとった同級生に「なんで今どき農水省なんかに行くのか」と聞いたら、「OBの結束が強くて、天下りに有利だから」と答えたので、証券会社に行く同級生が「50過ぎて何千万もらったって、孫にオートバイ買ってやれるぐらいじゃないか」と笑った。彼は今、ある有名企業の社長である。農水省に行った同級生の消息は聞かないが、ろくな天下り先はないだろう。

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    antipop 2007/03/31
  • ハイエクの政治思想 - 池田信夫 blog

    書は、日語で書かれたハイエク論としては出色である。特に第3章のハイエクの自由論をゲーム理論で説明した部分がおもしろかった。書では伝統的なゲーム理論で考えているが、これを進化ゲームで説明しなおしてみよう。 ハイエクの「自生的秩序」という概念は曖昧だ。市場が当に自然発生的に出てくるものなら、西欧文明圏以外で大規模な市場が発展しなかったのはなぜなのか。また個人が欲望のままに行動したら予定調和が出現するという論理的根拠は何か――そういう問題をゲーム理論でうまく説明できる。 個人が利己的に行動した結果、調和が実現するのは、ゲーム理論でいう協調ゲームになっている場合である。この場合には、協力も一つのナッシュ均衡(進化的安定戦略)なので、いったん自生的秩序が実現したら、そこから逸脱するインセンティヴはない。しかし、このようにすべてのメンバーの利得関数が同じ向きになっていることはまれで、多くの

  • A Random Walk Down Wall Street - 池田信夫 blog

    今や定番となったゴードン・マルキールの投資ガイドの第9版。初版から35年もたっているが、書の初版から一貫している「投資信託よりインデックスを買え」という原則は変わらない。初版の出たころにS&P500を1万ドル買っていれば、今は42万ドルを超えているという。それに対して、投資信託の平均は28万ドルだ。 この原則の理論的な背景は効率的市場仮説だが、これについてはこの版で初めて少し修正している。「市場には勝てない」という基は間違っていないが、ファンドマネジャーによっては市場に勝ち続けることもできるというデータが出ている。 その原因は、新たに1章をさいている「行動ファイナンス」だ。相場は効率的市場仮説のいうように機械的に動いているわけではなく、人間の心理で動くものだから、バブルも起こるし大不況も起こる。だから心理の裏を読めば、市場に勝つことも可能だし、経済学者のバカにする罫線も無意味ではな

  • 非ニュートン的な科学 - 池田信夫 blog

    ノーバート・ウィーナーは、しばしば「情報科学の父」と呼ばれるが、彼の主著『サイバネティックス』(1948)をいま読むと、むしろ現在のコンピュータとはまったく違うことに違和感を覚える。副題が「動物と機械における制御と通信」となっている通り、ここで彼が情報システムのモデルにしているのは生物である。その第1章は「ニュートンの時間とベルグソンの時間」と題され、ニュートンの可逆的で決定論的な時間に対して、ベルグソンの進化論的な時間概念を情報科学に導入しようとしている。 情報科学の主流になったのは、ウィーナーの考えたような自己組織系ではなく、外部からプログラムとして与えられた命令をメカニカルに処理するフォン=ノイマン型コンピュータだった。それは世界を機械と考え、人間がそれを神のように外からコントロールするニュートン的なシステムである。自然科学のモデルも依然としてニュートンであり、社会科学でも経済学

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    antipop 2007/02/09
    ノーバート・ウィーナー伝書評。あと、「『サイバネティックス』とほぼ同じころ、ハイエクは『感覚秩序』(1952)でニューラルネットの原理を予言していた」について要調査>僕。
  • YouTubeを拒絶する日本メディアのカルテル体質 - 池田信夫 blog

    の権利者団体とYouTubeの協議が終わった。交渉はほとんど進展がなく、YouTubeが日語の警告文を出すことぐらいしか決まらなかったようだ。日側は強硬な態度を見せているが、実際にはその立場は弱い。YouTubeはアメリカの著作権法のもとで運営されており、日人の要求に従う義務はないからだ。 この状況で、日の権利者が大量に削除要求を出しても、何も得るものはない。むしろ番組のPR効果を自分で減殺しているだけだ。それよりも、YouTubeに料金の支払いを求めてはどうか。もちろん彼らが収入を上げるようになったらの話だが、たとえば広告収入の何%かを支払うという契約を結び、その代わり許諾権は放棄するのだ。実際にも、毎日10万近い投稿についてすべて事前に許諾を得るのは不可能だ。 こういう考え方を、法学で賠償責任ルール(liability rule)と呼ぶ。財産権のような財産ルール(pr

  • 池田信夫 blog Wikinomics

    Wikipediaのようなmass collaborationが製造業や既存の多国籍企業にも広がり、生産のプロセスがネットワークを介したpeer productionになるだろう、という話。コンセプトとしては新しくもないが、世界各国のいろいろな事例が出ているので、カタログとしては役に立つ。 カナダの金採掘会社Goldcorpは、その古い鉱山の詳細な3次元データをウェブで公開し、金鉱がどこにあるかを当てた人には賞金を出すコンテストを行った。世界中から多くの地質学者が応募し、新しく同定された目標の80%から金が発見された。InnoCentiveというサイトでは、企業が専門的知識の必要な問題を公表し、世界175ヶ国の9000人の科学者がそれに答える。 こうしたコラボレーションは、既存企業も変えつつある。IBMはLinux上でシステムを開発することによって、多くの外部技術者の知識を活用している

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    antipop 2007/02/04
    鉱山の話、他の本で読んだなぁ。『フューチャー・オブ・ワーク』だったっけ……?
  • フィッシングにご注意 - 池田信夫 blog

    間抜けなことに、フィッシングに引っかかってパスワードを盗まれてしまった。amazon@teamservice.comというアドレスからThis is your final warning about the safety of your Amazon account. If you do not update your billing informations your access on Amazon features will be restricted and the user deleted. This might be due to either following reasons:というメールが来て、ちょっと変だなと思いつつ、そのURLをクリックすると、図のようにAmazon.comそっくりの画面が出てくる。ここでアドレスとパスワードを入れると、クレジットカードの番号を入力する

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    antipop 2007/01/29
    池田信夫先生、フィッシング被害に遭う。
  • 経済停滞の原因と制度 - 池田信夫 blog

    世の中では構造改革派とリフレ派の論争は決着がついた(後者が勝った)と思われているらしいが、それはマスコミの中だけの話。構造改革を否定して騒いでいたのは、マクロ経済学が専門でもない経済学評論家や翻訳家だけで、彼らの使っていたのは「流動性の罠」などの半世紀以上前の分析用具だ。 90年代の日経済について、企業データまで調べた厳密な実証分析が出てきたのは、ここ1、2年のことである。去年秋の日経済学会のシンポジウムでは、そうした研究を踏まえて「失われた10年」をめぐる議論が行われたが、「長期不況の主要な原因はデフレギャップではなくTFP(全要素生産性)成長率の低下であり、それをもたらしたのは追い貸しによる非効率な資金供給だ」ということでおおむね意見が一致した。 書は、こうした実証研究の先駆となった編者が、専門家の研究を集めた3巻シリーズの論文集の第1巻である。どの論文も非常に専門的なので一

  • 池田信夫 blog 日本でiPhoneが使えるようにする方法

    このところのケータイ業界の話題はiPhoneで持ち切りだが、日で今ひとつ盛り上がらないのは、それが電話として使えないからだろう。「アジアでは2008年に発売」となっているが、これは日韓国を除くアジアという意味だ。日で使うには3G(W-CDMAかEV-DO)をサポートしなければならないが、今のところ"3G iPhone"は噂の域を出ていない。 アップルが3GではなくGSMを採用したことに驚いている向きもあるようだが、グローバルな企業としては、この選択は当たり前だ。世界の市場シェアをみれば、GSM/EDGEが83%あるのに対して、W-CDMAとEV-DOは合計しても12%しかない。特にiPhoneWi-Fiを搭載しているので、ブロードバンドのサービスはインターネットでと割り切れば、携帯電話はGSMで十分だ。ジョブズは「将来は3Gもサポートしたい」と言ったそうだが、過剰品質の日で使

  • 自生的秩序 - 池田信夫 blog

    一昨日の記事にはすごい反響があり、昨日は当ブログで過去最高の2万アクセスを記録したので、少し学問的な付録を付け足しておく。 「自由度」とは何のことかわかりにくいというコメントがあったが、この元ネタは実はハイエクである。彼は、個人が効用を最大化するという新古典派経済学の功利主義を斥け、「パレート最適」のような福祉最大化を政策目標とすることも否定した。彼が法秩序の原則として掲げたのは、「任意のメンバーがその目的を達成するチャンスをできるかぎり高めること」である(cf. Gray)。その結果として所得が最大化されることは望ましいが、それは副産物にすぎない。これは効用を最大化する自由度(オプション価値)を最大化する「メタ功利主義」ともいうべきものだ。 ハイエクは社会で特定の目的を実現しようとする「ユートピア社会工学」を否定したが、制度(ルール)の設計を否定したわけではない。重要なのは、人為的に

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    antipop 2007/01/18
    オンラインサービス構築に際しては、ハイエク的な「任意のメンバーがその目的を達成するチャンスをできるかぎり高めること」という「メタ功利主義」
  • 日本版SOX法は何を解決するのか - 池田信夫 blog

    来年から「日版SOX法」が適用されるため、企業の経理担当者はパニックになっているようだが、家のSOX法の評判は最悪で、早くも見直しが始まっている。この法律ができたのは、6年前のエンロンやワールドコムのスキャンダルがきっかけだが、果たして法律を強化すればあの事件は防げたのか?逆に、あの事件が起こったのは法律が不備だったからなのか? エンロン事件の詳細な記録を読めば、どちらの問いの答も否であることがわかる、とMalcolm Gladwellは書く。事件を最初に報じたWSJの記者は、ほとんど公表資料だけで問題の全容を明らかにした。粉飾に使われたSPE(特別目的会社)は、連結対象にこそなっていなかったが、その財務諸表はすべてSECのデータベースで公開されていた。問題は、その経理内容が正確でなかったことではなく、過剰に正確だったことである。SPEの数は3000にのぼり、それぞれの財務諸表が10

  • クリエイターに必要なのは著作権の強化ではない - 池田信夫 blog

    先日の「著作権は財産権ではない」という記事には、意外に多くのアクセスがあったが、わかりにくいという批判もあったので、もう少しわかりやすい例で補足しておこう。 私は、かつてテレビ局で番組を発注・契約する立場にいたこともあるし、フリーで番組制作を請け負ったこともある。その経験からいうと、日のコンテンツ産業の最大の問題は、著作物の利益が法的に保障されないことではなく、それが仲介業者に搾取され、クリエイターに還元されないことである。クリエイターの大部分は、フリーターとして低賃金・長時間労働で酷使されている。著作権の強化は、彼らにとっては意味がない。もともと権利は企業側に取られるしくみになっているからだ。 極端なのが映画である。かつては映画の興行収入は映画館がまず50%取り、残りの半分を配給会社が取り、あとの25%を制作会社が取るという配分が不文律になっていた。テレビの場合にはもう少しばらつき