新元号「令和」の「令」について、「命令」の「令」として捉える人が多いように思えた。確かに辞書などを引くとその意味が最初に来るので自然な理解とも言えるだろう。私のように昭和と平成を同じくらい生きた人だと、この字は、「年齢」の「齢」の代用字として以前使っていたことなども思い出す。戦後、日本はGHQの指導で漢字をできるだけ減らし、また簡易化する流れにあったが、パソコンが普及してからは、漢字利用が盛り返してきた。年齢を示す「歳」の字も、以前は代用字の「才」がよく使われていたものだった。 さて、「令」という漢字自体の意味は何かだが、まず、これは会意字として理解されることが多い。会意というのは、その漢字を構成するパーツが意味を持ちそれを組み合わせたものだ。基本的に、パーツは音声に関係しない。 会意字として「令」は「亼(逆さまの口)」+「卩(人の跪く姿)」として、「逆さまの口がひざまずいた人に話す・お告