農業法人のサラダボウル(山梨県中央市)グループを率いる脱サラの経営者、田中進氏のことを前々回、前回の2回にわたって紹介した。創業当時の困難を克服し、グループ会社を増やしながら、田中氏がたどりついたのは農業界の古い格言だった。 「上農は草を見ずして草を取り、中農は草を見て草を取り、下農は草を見ても草を取らず」 田中氏はこの格言を、たんに雑草を防ぐための言葉とはとらず、農業の現場で起こりうる様々なトラブルを未然に防ぐための戒めと理解した。そこでトラブルに「商機を逃すこと」まで含めれば、言葉の意味はもっと広がる。今回は海外事業を取り上げようと思う。 メード・バイ・ジャパニーズ 例えば、前々回、田中氏とのアポイントメントの場所が羽田空港だったことに触れた(4月21日「年収7000万円サラリーマンが農業に転じたわけ」)。田中氏は羽田からどこへ向かおうとしていたのか。答えは沖縄だ。 政府は沖縄を国際的