【大田・曽山茂志】長崎県対馬市の観音寺から2012年に盗まれ韓国に持ち込まれた同県指定有形文化財「観世音菩薩坐像(かんぜおんぼさつざぞう)」について、14世紀に倭寇(わこう)に略奪されたとして元の所有権を主張する韓国中部の浮石寺が、坐像を保管する韓国政府に引き渡すよう求めた訴訟で、大田地裁は26日、「過去に正常ではない過程を経て観音寺に渡った」として、浮石寺の請求を認めた。坐像は2月初めにも浮石寺に引き渡される見通しで、日本が求める坐像の早期返還は困難になった。 立証困難な数百年前の「略奪」を理由に、盗品の返還を認めない判決に日本側の批判が高まるのは必至だ。釜山の日本総領事館前に設置された従軍慰安婦問題を象徴する少女像を巡って悪化している日韓関係にも影響する恐れがある。 大田地裁の文宝頃(ムンボギョン)裁判長は、一連の訴訟で浮石寺側が示した略奪されたとみられる証言などを基に「総合的に検
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