大好きな「三国志」のその後はどうなったのだろうか……。そんな疑問を独学で研究した東京都狛江市の元会社員、内田重久さん(81)は、75歳のときに「一発勝負してみよう」と歴史小説『それからの三国志』(文芸社)を自費出版した。単行本と上下2巻の文庫あわせて累計17万部の大ヒットとなった。 内田さんは60歳で会社を定年退職し、その後、75歳まで簡易裁判所で裁判官の補助などをする司法委員を務めていた。 「『第二の人生』も区切りがついて、ひまになっちゃった。せっかくだから昔、趣味で書いていたものを出版してみようと思ったんです」(内田さん) 小学生のとき、江戸時代に書かれた『通俗三國志』に出合い、その世界に魅了された。吉川英治の三国志を読んだとき、蜀の軍師・諸葛孔明の死後が詳細に描かれていないことに気づき、「その後の時代を書いてみたい」という気持ちを抱き続けた。40代のころ、趣味で執筆を開始。関連