【パリ=大泉晋之助】パリ滞在中の東京都の小池百合子知事は24日、パリ郊外の世界最大の卸売市場「ランジス国際卸売市場」を訪れ、水産・青果・乳製品の各棟を視察した。小池氏は「閉鎖空間で冷やされ、豊洲と同じコンセプト。衛生の観点で先例になっている」と語り、業界との調整が続く「築地市場」(中央区)からの「豊洲市場」(江東区)への移転に視察の成果を生かす考えを示した。小池氏は同日、帰国の途に就く。 手狭になった市街地の市場を1960年代に移築、2002年には密閉型で低温維持する近代的な水産物施設を完成させたランジスは豊洲と類似点が多い。都が経営する豊洲に対し、国や民間企業が出資する第三セクター方式のランジスは民間の力で柔軟な経営を進めてきた。 ランジスは海外展開にも積極的で、16年の取扱高は約90億ユーロ(約1兆1900億円)と10年に比べて1割以上伸びた。総合市場のランジスと単純比較はできないもの