■特派員リポート 星野真三雄(ヨーロッパ総局) 英国と大陸欧州を隔てるドーバー海峡。海底トンネルで結ばれてはいるものの、その心理的な距離は広がるばかりだ。この数年、欧州の共通通貨ユーロを使う国々と、自前の通貨ポンドを守る英国との遠心力は強まっている。 ユーロ危機は「通貨や金融政策は同じだが、財政や金融行政はバラバラ」という弱みを突かれたものだった。それだけにユーロ圏各国は「なるべく財政や金融行政を一緒にしていこう」と統合を深めていく。燃えさかるユーロ危機を文字どおり「対岸の火事」として見ていた英国だったが、ついには英国経済の牽引(けんいん)役である金融を縛る方向に議論は向かった。 業績連動型の銀行員のボーナスが投機的な取引につながり、金融危機を招いたとして、ボーナスに上限を設ける。「金融取引税」を導入して株や債券などの取引に課税する――。ユーロ圏の国が多い欧州連合(EU)では金融規制を強め
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