【ソウル=中川孝之】北朝鮮の工作機関・偵察総局の指示を受け、毒針を発射できる万年筆などで脱北者を殺害しようとしたとして、ソウル中央地検は7日までに、脱北者の男(54)を国家保安法違反罪で起訴した。 男は北朝鮮の収容所にいる家族の解放を条件に暗殺を持ちかけられており、地検は「脱北者の窮状につけ込んだ非人道的行為」としている。 地検によると、男は9月3日午後、反北朝鮮の宣伝ビラを風船で飛ばしている脱北者団体の代表を殺害するため、ソウル市内の地下鉄駅で会う約束をした。しかし、計画を察知した韓国の情報機関が代表に連絡し、代表は現場に向かわなかった。1人でいた男が情報機関の要員に逮捕された。 所持品から、パーカーの万年筆を改造した銃(長さ13センチ・メートル、重さ57グラム)や、同社製ボールペンを改造した毒針、毒物入りのカプセル3個などが押収された。 万年筆形の銃は、キャップを回して押せば、毒針付き