アンドルー・ゴードン 1952年生まれの歴史学者。専門は日本の近現代史で、特に炭鉱などでの労働史にスポットを当てる。95年にハーバード大歴史学部教授、98年から6年間はライシャワー研究所所長を兼任した。著書に『日本の200年―― 徳川時代から現代まで』(みすず書房)など。 ――ゴードンさんは日本の近現代史の歴史学者ですが、なぜ「観光学」の分野でもあるダークツーリズムを研究対象にしようと考えたのですか? ダークツーリズムは、自然災害や人びとの苦難、死など、悲しい記憶のある舞台を観光の対象とすることです。世界のダークツーリズムポイントであれば、ナチスドイツのホロコーストを学べる「アウシュヴィッツ」、日本であれば広島の「原爆ドーム」などがあたりますね。 歴史の重要性や意味合いを知ってほしい 「観光」は「遊ぶ」だけでなく、意味のあることを学んだり体験したりする意味合いも含まれます。かつて刑務所があ