【読売新聞】 2017年に105歳で亡くなるまで“生涯現役”を貫いた医師の日野原重明さんが、自身の戦争体験を語った未公開映像が、この秋初めて世に出される。京都帝国大医学部に在学中、旧日本軍731部隊が中国人捕虜に人体実験を行う記録映
前編では「史上最悪の作戦」を主導した牟田口廉也中将の第15軍司令部が遊興に使った料亭と、そのお膝元メイミョウの異質な雰囲気について触れた。では、その上級部隊であるビルマ方面軍とそのお膝元であるラングーンはどうだったのか。 メイミョウと同じようにラングーンにも料亭が著名な料亭が存在した。それが翠香園だ。もとは第18師団のお膝元である久留米にあった料理屋で、杉山元元帥陸軍大将と懇意であったことが伝わっている。ラングーンにおけるその偉容、繁盛ぶりを読売新聞の若林正夫記者は次のように伝えている。 それはともかくとして、ラングーン一流のクラブをいただいて、そこに陣取ったこの一隊は総勢百五十名になんなんとする大部隊で、芸妓、雛妓はもとより女中、下働き、料理番。これまではわかるがあとが凄い。髪結いさんに三味線屋、鳴物屋、仕立屋に洗張屋にお医者さんまで、これが婦人科兼泌尿器科医であることはもちろんのことだ
前線の将兵の死闘の裏で、司令部は何をしていたのか このインパール5部作の中で批判的に言及されているのが牟田口廉也中将だ。第15軍司令官としてインパール作戦を主導したが、インパール作戦への否定的評価に加え、司令部のお膝元に料亭を建てて芸者を集めて遊興に浸った等、「愚将」との表現も残る彼のイメージは、高木の著作によるところも大きいとする意見もある。 こうした高木の著作における牟田口中将の特異なエピソードや個性について、後年になって高木による創作か誇張ではないかという意見も出ていた。高木の記述には出典が明示されていないことも多いためだ。しかし、高木の著作における牟田口中将や彼が率いた第15軍の醜聞は出典を確認できるものも多い。 また、牟田口中将の連隊長時代に副官を務めた河野又四郎が、戦後に高木の著作を読んで手紙(立命館大学国際平和ミュージアム所蔵)を書いている。 筆者がその手紙を確認したところ「
(CNN) モハマド・アブ・アル・クムサンさんは体を震わせ、信じられない様子で息をのんだ。パレスチナ自治区ガザ地区中部のアクサ殉教者病院。クムサンさんは、病院の中庭にくずおれた。 「頼む、頼むから、会わせてくれ」「妻は出産したばかりなんだ。どうか妻に会わせてくれ」。13日に撮影された映像は、クムサンさんが泣き叫ぶ姿をとらえていた。 数時間前、デイルアルバラの自宅アパートを出て、3日前に生まれた双子のアイサル君とアセルちゃんの出生証明書を取りに出かけた。しかし外出先で電話がかかってきて、自宅がイスラエルの攻撃に遭い、2人の子どもと妻のジュマナさんが死亡したと告げられた。 別の映像ではクムサンさんが布に覆われた遺体の傍らにひざまづき、イスラム教の葬送の祈りをささげていた。病院関係者によると、薬剤師だったクムサンさんの妻と双子を含め、この地域に対するイスラエルの攻撃で少なくとも23人が殺害された
AR作品「KNOW NUKES」。渋谷の街に原爆が落ちたときにできるキノコ雲をシミュレーションして表示する 来年で終戦から80年。次第に先の大戦の経験者が少なくなるなか、戦争の伝え方をデジタルでアップデートしようと試みる人たちがいる。白黒写真のカラー化、原爆被害のデジタルアーカイブ化などに取り組んできたのは東京大学大学院の渡邉英徳教授だ。デジタル化によりアクセスしやすくすることで、戦争を身近に感じさせるとともに、新たな世代に受け継いでいくことができるという。渡邉教授や、報道や平和活動でデジタル化に取り組む人たちを取材した。(文・写真:科学ライター・荒舩良孝/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
ウクライナ軍の砲撃によって破壊されたとする建物=6日、ロシア・クルスク州スジャ/Handout/Governor of Kursk region/Telegram/AP (CNN) ウクライナに必要なのは勝利であって、ギャンブルではなかった。 乏しい軍事資源をロシアへの越境攻撃に大量投入するというウクライナの決断(ニュースの見出しを狙ったものだが、これまでのところ戦略上の目的は不明だ)は、ウクライナにとって窮余の策とも、国民を鼓舞する動きとも取れる。おそらく、この戦争の新たな局面を予告しているのだろう。 ウクライナによるロシア侵入が何か目新しい現象だからではない。越境攻撃はここ1年あまり、ウクライナのために戦うロシア人によって主に行われてきた。彼らがウクライナの軍事支援を受けているのは明らかだったが、正式な公の役割ではなかった。 今回の出来事が新しく感じられるのは、ウクライナの正規軍がロシ
【8月9日 AFP】ウクライナ軍は近い将来、ロボット犬をロシア軍との戦闘の前線に投入し、兵士の代わりに塹壕(ざんごう)の偵察や地雷探知など、危険な任務を任せるようになる可能性がある。 ウクライナの非公開の場所で行われたデモンストレーションでは、ロボット犬「BAD One」はオペレーターが送信する指示に従い、立ち上がったり、しゃがんだり、走ったり、ジャンプしたりした。 隠密性と機敏性に優れたロボット犬は、ロシア軍の侵攻を撃退する兵力が不足しているウクライナ軍にとって、前線での貴重な味方となる可能性があると製作者たちは語った。 体高の低いロボット犬は発見されにくい上、敵の塹壕や建物内をサーマルイメージング(熱画像解析技術)で調べることもできる。 オペレーターはAFPの記者に対し、「偵察任務に就くのはたいてい、非常に高度な訓練を受けた経験豊富な兵士だが、常にリスクにさらされている」「ロボット犬は
ウクライナ軍のクルスク侵攻についてNew York Timesは「ウクライナ人の士気を高めるのに役立っている」と、Washington Postは「ロシアが一方的に侵略するという構図を逆転させた」と報じ、ウクライナ当局者は「ロシア人はウクライナ人が過去2年間体験したこと経験することなる」と述べた。 参考:Russia Pushes Back at Ukraine’s Cross-Border Assault, but Kyiv Presses On 参考:Ukraine appears to expand Russia incursion, in morale boost for Kyiv New York TimesNew York Timesは10日「クルスクでは双方が勝利を主張している」と報じ、少なくともクルスクでの成功はウクライナ人の士気を高めるのに役立っていると指摘した。 “クル
ウクライナは、国境を接するロシア西部で、ロシアによる軍事侵攻以降、最大規模となる越境攻撃を行っています。これに対し、ロシア側は追加の部隊を派遣するとしていて、激しい攻防が続いているとみられます。 ウクライナと国境を接するロシア西部クルスク州では、今月6日からウクライナ側がロシアによる軍事侵攻以降、最大規模となる越境攻撃を行い、国境地域のロシア側の集落などを次々と掌握しているとみられます。 こうした中、ロシア国防省は10日、ウクライナ側の無人機26機をクルスク州の上空で撃墜したと発表しました。 また、ロシア側は州内にあるクルスク原子力発電所の敷地内で今月8日、迎撃されたミサイルの破片とみられるものが見つかったとして、ウクライナ軍が原発を危険にさらしていると非難し、IAEA=国際原子力機関に報告したと明らかにしました。 ウクライナからの越境攻撃に対し、ロシア国防省は9日、クルスク州の防衛のため
ウクライナ軍による唐突なクルスク侵攻はロシア軍に大きな混乱をもたらしたものの作戦意図は不明なままで、New York Timesの取材に応じた米政府高官は「本作戦はギャンブルだ」と、軍事アナリストも「クルスク侵攻は他の戦場の問題を本当に解決できるのか」と述べた。 参考:As Ukraine Pushes Deeper Into Russia, Moscow Sends Reinforcements 時間は刻々と過ぎておりロシアも永遠に無秩序ままではないウクライナ軍は7月6日にスームィ州からロシア領クルスク州に侵攻を開始、幾つかの集落を占領しながら国境に近い都市=スジャに侵入したものの「この作戦で何を達成するつもりなのか」は謎のままで、New York Timesは9日「本作戦が敵戦力を誘引して他戦場での立場改善に繋がるのかどうかも不明だ」と報じている。 “クルスクでの慌ただしい動きはロシア
長崎県長崎市の平和公園で9日、「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれ、岸田文雄首相らが出席した。長崎市の鈴木史朗市長がイスラエル駐日大使を招待しなかったことで、米、英などの日本以外の7か国(G7)と欧州連合(EU)の大使が欠席した。 イスラエル駐日大使を招待しなかった問題が国際的な騒動に発展。特に原爆投下の当事者である米国の大使が欠席したことに衝撃が走った。その米国駐日大使であるエマニュエル氏は同日、東京・増上寺の「長崎原爆殉難者追悼会」に出席。イスラエルのコーヘン、英国のロングボトム両駐日大使も一緒だった。 米国政府はエマニュエル氏の式典不参加を問題視していない。米国務省のミラー報道官は「われわれはイスラエル大使が他国の大使と同様に招待されることが重要だと考えた」と話している。 このミラー氏の会見が海外で話題となっている。式典に米国駐日大使が参加しないことについての記者とミラー氏のや
1946年に樺太でソ連兵に捕まり、以来、半世紀をシベリア、カザフスタンで過ごした小関吉雄氏(前列左から2人目)。いっしょに写っているのはカザフスタンの子、孫たち(1993年撮影、日本サハリン協会提供) 敗戦後、ソ連に占領された南樺太では「民間人」が突然逮捕された。さらに、日本に帰ろうとする者、逆に家族との再会を目指し樺太に渡ってくる者が囚人となり、ラーゲリに連行された。軍人などと異なり、組織も名簿も持たない彼らは引揚げ事業の対象外とされ、数百人にのぼるシベリア民間人抑留者は「自己意思残留者」として切り捨てられた。ノンフィクションライターの石村博子氏は、新著『脱露 シベリア民間人抑留、凍土からの帰還』(KADOKAWA)で、実際にあった悲劇を丹念に掘り起こした。 (*)本稿は『脱露 シベリア民間人抑留、凍土からの帰還』(石村博子著、KADOKAWA)の一部を抜粋・再編集したものです。 【前編
ウクライナ軍の攻撃で破壊されたロシア・クルスク州スジャの建物。同州知事のテレグラム投稿より(2024年8月6日提供)。(c)AFP PHOTO / GOVERNOR OF KURSK REGION 【8月8日 AFP】ウクライナ軍は6、7の両日、ロシア西部クルスク(Kursk)州に大規模な攻撃を仕掛けた。ウクライナ側からの越境攻撃としては、ここ数か月間で最大規模となった。 ウクライナ軍の戦車や装甲車、歩兵は6日朝、ロシア領内への進攻を開始。クルスク州は7日夕、非常事態を宣言した。 ロシア側は、同州に部隊を増派するとともに、ウクライナ軍を撃退するため砲爆撃を開始したとしている。 詳細な状況は不明だが、ロシアの一部軍事ブロガーは、ウクライナ軍は国境から約8キロの地点にある集落スジャ(Sudzha)に到達し、砲撃を浴びせていると伝えている。 人口約5000人のスジャには、欧州にまで延びるガスパイ
長崎市が9日の「原爆の日」に開く平和祈念式典にイスラエルを招待しないことについては、米ユダヤ系団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が、2度の声明で批判や懸念を表明していた。 最初の6月25日付の声明は、日本で反ユダヤ主義が広がっていると指摘する内容。その一例として、長崎市の判断をあげた。平和を促進する式典にパレスチナ自治政府の代表を招き、イスラエル側を排除したことに不満を示し、「(イスラム原理主義組織)ハマスを支持し、テロリストを擁護する言説が日本で広がることを懸念する」と表明した。同センターのエーブラハム・クーパー副所長が山田重夫駐米大使宛てに書簡を送ったとしている。 7月31日付の声明は、長崎市を強く非難した。イスラエル不招待をめぐる鈴木史朗市長の判断は「道徳に反する」と位置付けた。昨年10月7日にハマスのイスラエル攻撃で犠牲となった約1200人を侮辱し、「テロリストを励ます」
アウシュヴィッツ=ビルケナウ博物館に行ってきた。3.5時間の英語のガイドツアーを予約し、途中で気分が悪くならないように朝食は少なくし、昼食も抜くという万全の準備で出向いた(以前、ベルリンのホロコーストメモリアルとロマ・シンティの弾圧祈念碑を見ただけで胃が痛くなったので、世界遺産の中で万一気分が悪くなると困る)。 夏なので大混雑で、予約なしで行くと並ばないと入れないらしい。英語とポーランド語のツアーは15分から30分に1回くらい開催されているが、この時期は予約しないと入れなかったりするらしい。通常ツアーでも3.5時間かかる。 入るとまずビデオを見る。このビデオが他言語で、入り口でもらったヘッドホンを脇に刺し、15種類くらいある中からわかる言語の音声を選ぶこともできる。日本語は14番だった。 ヘッドホンを指す装置 そこからガイドツアーになるのだが、いろいろな言語のツアーが展開されているので、ガ
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