親に介護が必要になったらどうすればいいのか。弁護士の森公任さんと森元みのりさんの共著『妻六法』(扶桑社)より、両親の介護義務について紹介しよう――。 「同居している嫁が介護するべき」という定めは法律にはない 昔に比べると減りましたが、「妻」になると夫の家族の世話を一手に任されることも、決して珍しくはありません。特に、長男の妻は、義理の両親との同居を求められた挙句、家族の介護を任されることも多く、困っている方もいるかと思います。 では、法律上、妻の義理の両親への介護義務はどう扱われているのでしょうか? 民法877条1項では「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と定められています。「直系の血族」とは、祖父母や父母、子どもや孫などを指します。 親の介護の必要性が発生したとしても、その義務を負うのはあくまで血のつながった息子や娘たちです。子どもの配偶者であり、あくまで「姻族(婚姻に