与謝野馨・前経済財政担当相は毎日新聞のインタビューに応じ、政府・与党が進める「税と社会保障の一体改革」素案作成の議論について「国民に負担増を求める政策から逃げている」と批判した。【聞き手・赤間清広】 --社会保障の改革案が固まりました。 ◆民主党は国民に負担を求める政策をことごとく嫌った。情けない話だ。受診時の100円の支払いを過大な負担と感じる人は少ないはず。圧力団体に屈したとしか思えない。 --原因は。 ◆党内議論を一から始めてしまったことが最大の失敗だ。6月の一体改革成案に基づき、ただちに法制化に入るべきだった。さんざん議論をして収まった話を蒸し返すと、(反論が)激しくなる。首相が迫力をもって進めればよかったが、「(取りまとめ時期は)年末をめど」と(後退した)。「不退転の決意」だけでは改革の必要性が伝わらない。 --成案取りまとめ時に、消費税増税のシナリオをどう描きましたか。 ◆13