デバイス古今東西(34) ―― ルネサス,富士通,パナソニックのシステムLSI事業統合案に対する海外の視点と「日本的」妥協案 山本 靖 国内半導体メーカ3社のシステムLSI事業の統合交渉に関するスクープ記事が注目を集めています.ルネサス エレクトロニクスと富士通,パナソニックの3社がシステムLSI事業を切り出し,新たな半導体設計会社を設立するというものです.ここでは,この統合案前後の海外からの視点の幾つかを紹介し,統合案の背景にある,今も継承されている日本的経営について触れます. ●2年に1回の頻度で出てくる半導体事業の統合論議 2012年2月8日の日本経済新聞 朝刊に,3社の事業統合交渉のスクープ記事が掲載されました.「ルネサス エレクトロニクスと富士通,パナソニックの3社が半導体の主力事業を統合する方向で協議を始めた.家電製品などに組み込むシステムLSI事業を3社が切り出し,官民ファン