サッカーの指導法を受験勉強にたとえると・・・ ザックジャパンには、ひとつ構造的な問題点がある。普段はあまり目立たないが、対応を間違えると、チームを機能不全に陥れかねない不安要素だ。 それは、アルベルト・ザッケローニ監督の指導の流儀に、大きく関係している。 本題に入る前に、まずは監督の「指導論」について考えたい。サッカーにおける監督の指導法は、しばしば受験勉強になぞらえる。たとえば岡田武史・前代表監督は、直前対策のプロだ。勉強法にこだわらず、そのときのパフォーマンスが最大になるように、あらゆる引き出しから解決策を探す。場当たり的な部分はあるが、鋭い勘によって試験問題を的中させ、高得点に導く。 一方、その前に代表を率いていたイビチャ・オシム監督は、思考力を鍛えるタイプだ。世間にありふれた勉強法には目もくれず、オリジナルの難問を投げかける。生徒のとてつもないポテンシャルを引き出す可能性があるが、