福岡市営地下鉄七隈線の延伸(天神南−博多)に伴う新駅(同市博多区祇園町)の建設工事現場で、弥生時代から江戸時代までの遺物や遺構が次々と出土している。長さ180メートル、幅20メートルという狭い範囲から、2千年にわたり栄えてきた博多の歩みがあらためて浮かび上がった。(写真はいずれも福岡市提供) 新駅は南北1・6キロ、東西0・8キロに広がる博多遺跡群の南端に位置し、市は昨年10月、文化財調査に着手。弥生時代の甕棺墓(かめかんぼ)▽古墳時代の鏡「小型素文鏡(そもんきょう)」▽鎌倉時代の供宴の跡▽江戸時代の軒丸瓦(のきまるがわら)−などを確認した。 博多遺跡群は1977年、現在の地下鉄空港線の工事に伴う調査で発見。これまでに中国産などの輸入陶磁器が多く出土し、博多が中世の国際貿易の拠点だったことを裏付けてきた。今回の調査は10月までの予定で、同市埋蔵文化財調査課は「わずかな範囲を掘っただけでも