【ニューデリー=田原徳容】インド外務省幹部は10日、インドと中国が領有権を争うカシミール地方で6月17日、中国軍部隊がインド側支配地域に侵入、インド軍の監視用施設を破壊し、監視カメラを持ち去ったことを明らかにした。 両国軍は今年4~5月に同地方でにらみ合い、5月に首相間の協議で事態を沈静化した経緯があるだけに、インド側は中国の意図に警戒感を強めている。 外務省幹部によると、中国軍は6月の侵入時に、地域住民に中国の領有権を主張し、退去を求めた後、同日中に中国側支配地域に引いた。インド軍が抗議した結果、カメラは今月3日に返却された。