「街の本屋さん」の救世主となるか? 書店を支援するための“RFID” 丸紅グループが大手出版社の講談社、小学館、集英社と設立した合弁会社の株式会社PubteXは、出版社に向けたAIによる発行・配本最適化サービスや、書店の経営改善をはじめとした出版流通の課題解決が期待されるRFID事業を、2023年から本格化させる。なぜ総合商社が出版流通事業に着手したのか。事業の方向性や展望などを永井直彦社長に聞いた。【聞き手・星野渉】 ――なぜ総合商社の丸紅が出版関係の事業を始めたのか、会社設立の経緯をおしえてください。 もともと丸紅グループ自体は、出版流通とはあまり関係がありませんでした。ただ、丸紅のフォレストプロダクツ本部と丸紅フォレストリンクスは、以前より出版各社に印刷用紙を販売してきた実績があり、出版社のトップとの間に一定の信頼関係がありました。 4年ほど前にトップ同士の会食の席で、講談社から紙の