2019年4月と2021年10月の2度のクーデターのあと軍事政権を分かち合ってきた国軍と民兵団が、2023年4月15日に決裂して戦闘を始め、スーダンは内戦に突入した。遠因は19世紀のエジプトによる征服以来の首都と地方の格差と、国として統一性を考えない統治にある。エジプト、ロシア、アラブ首 (...) →
「解説」が鶴見俊輔さんの手によるものだから、橋川文三『昭和維新試論』講談社学術文庫、読み始めたが、のっけから(序)、吉野作造の「深み」示すエピソードに言及があり驚愕(鶴見さんの「解説」でも大きく紙面を割いている。 解説部分↓ - 大正一〇年(一九二一年、これは橋川文三のうまれる前の年におこった、朝日平吾による安田善次郎暗殺は、時の首相原敬の日記では、「兇漢は不良の徒にて特に安田に怨恨ありし者にはあらざるが如し」と簡単に書かれ、偶発的凶行としてかたづけられている。 しかし、同時代に対するかんをもっていた「読売新聞」記者は、大久保利通の暗殺、森有礼の暗殺、星亨の暗殺、伊藤博文の暗殺以上に「思想的の深み」のあるものとして、朝日平吾による安田善次郎暗殺をとらえていた。 たしかに、首相も大臣もつとめたことのない一富豪の暗殺は、暗殺者の遺書によって見る時、日露戦争終結後にはじまる新しい流れのあらわれだ
半澤 孝麿,三辺 博之,竹原 良文,安 世舟/著 1978年10月発売 新書判 , 236ページ 定価 583円(本体 530円) ISBN 4-641-08755-5
前に読んだ、黒澤良『内務省の政治史』に参考文献としてあがっていたことから知った本。1974年出版の古い本ながら非常に面白いですね。 1905年から1915年にかけて、原敬が政友会を躍進させた10年間を分析した本で、副題が「政治技術の巨匠」となっているように、原がいかなる手練手管をもって政友会という組織を成長させたか、そして政党嫌いの山県有朋にその政友会と原という政治家の存在を認めさせることができたのか、といった部分に焦点を当てています。 ここ最近、日本の政治史において、政友会よりも民政党(憲政会)を評価する本が多い印象があります(例えば、坂野潤治『日本近代史』などでは露骨に政友会を低く、民政党を高く評価している)。確かに、田中義一以降の昭和の政友会というのは、「民主主義の足を引っ張った」部分も多く、評価できる部分は少ないかもしれません。また、「我田引鉄」と呼ばれた政友会の利益誘導政治も、自
『図書』は大勢の知的好奇心あふれる読者に1938年の創刊以来愛読されてきた「読書家の雑誌」です。 古今東西の名著をめぐるとっておきの話やエピソード、心を打つヒューマン・ストーリー、旅のときめき体験、人生への思索などを綴る、滋味あふれるエッセイの数々。 文学・芸術・学問の面白さを語る対談・座談・インタビュー。若手からベテランまで『図書』ならではの一流の執筆陣が書き下ろす文章の力と味わいは、日常生活にピリッと刺激を与えるスパイスの働きをするはずです。 魅力的な本との出会いの場、読書の新しい愉しみ発見の場として月刊『図書』の定期購読をおすすめいたします。 巻末の新刊案内は岩波書店の出版活動の最新情報をいの一番にお届けする「読者と岩波書店を結ぶホットライン」です。 綴じ込みの〈書籍注文ハガキ〉もご利用ください。
■政党政治を考えるきっかけに 原稿は、半世紀前に出来ていた。 首相として金解禁や軍縮を行い、1930(昭和5)年に東京駅で狙撃され、「男子の本懐」と言った濱口雄幸。その生涯をたどった。 もとは、政治学者・丸山眞男の父で新聞記者の丸山幹治(かんじ)が、濱口家から評伝執筆を頼まれ、取材を進めていた。だが老衰のため、眞男の教え子で大学院生だった今井さんがひきついだ。今井さんは、幹治の取材メモ、濱口の日記、枢密院や海軍などの未公開史料にも広くあたり、原稿用紙千枚以上にまとめた。「丸山眞男さんは、文章のアクセントのつけ方など、手を入れてくれました」 50年代後半、完成稿を濱口家に渡したが、幹治の死去もあって刊行には至らなかった。今井さんは日本近代政治史の研究を続け、横浜市立大教授などを歴任する。 2006年に出た『丸山眞男回顧談』で、この原稿のことを知った編集者が今井さんに連絡。今こそ読まれるべきだ
『丸山眞男手帖』68(2014.1)に掲載された高木博義「「昭和天皇をめぐるきれぎれの回想」断想」を読んだ。丸山眞男「昭和天皇をめぐるきれぎれの回想」は『‘60』第14号(1989.3)に掲載された。『’60』は、日米安保の1960年に丸山の東大法学部での講義「東洋政治思想史」を聴いた学生有志のクラス会「60年の会」の会誌。高木は、1989年2月初めの寒い夜、吉祥寺東町にある丸山宅を訪れ、この原稿をいただいた方である。 この『‘60』は非売品であるが、私はこの「回想」は、確か石井和夫(東大出版会名誉顧問、『日本政治思想史研究』の編集担当者および門倉弘(東大出版会元編集者、『丸山眞男講義録』編集担当者、1月15日逝去)を通して、そのコピーを同年1989年の初夏にもらって読んだ覚えがある。 この「回想」の最終段落は、1946年3月22日の自身の誕生日の日付を末尾に記した丸山「超国家主義の論理と
はじまりの政治思想講義! この社会の起源には何があったのか。ホッブズ、ヒューム、ルソー、ロールズの議論を精密かつ大胆に読みなおし、近代の中心的思想を今に蘇らせる清冽な入門書! シリーズ:ちくま新書 1,012円(税込) Cコード:0210 整理番号:1039 刊行日: 2013/11/05 ※発売日は地域・書店によって 前後する場合があります 判型:新書判 ページ数:304 ISBN:978-4-480-06742-5 JANコード:9784480067425 購入 オモダ ソノエ 1968年兵庫県西宮市生まれ。早稲田大学政治経済学部、日本開発銀行を経て、東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。現在、明治大学政治経済学部教授。専門は、現代思想・政治思想史。フーコーの思想を、とりわけ「権力」や「統治」といった主題を中心に研究する。また、社会科学・人間科学への統計の応用史を掘り下げ、
戦後体制の分岐点に現れた幸福実現党。 政治学の権威が、その意味を分析。 著者の大学時代のゼミ担当教授が語った、日本の政治の「これまで」と「これから」。 「幸福実現党」は、自民党の先にある、「未来型政権政党」である。真実の正論によるユートピア政治を実現してみたい。今は「孔子の政治学」のように実際性が足りないと思われて、机上の空論と見ている人も多かろうが、「私の言葉の上に未来は築かれる」と信じている。 (大川隆法「あとがき」より) ◇◇ 霊言・守護霊霊言とは ◇◇ 「霊言現象」とは、あの世の霊存在の言葉を語り下ろす現象のことをいう。これは高度な悟りを開いた者に特有のものであり、「霊媒現象」(トランス状態になって意識を失い、霊が一方的にしゃべる現象)とは異なる。外国人霊の霊言の場合には、霊言現象を行う者の言語中枢から、必要な言葉を選び出し、日本語で語ることも可能である。 また、人間の魂は原則とし
1979年(昭和54年)東京都出身[1]。「郁夫」という名前は大正デモクラシー期の政治学者である大山郁夫から由来しているという[2]。 2002年(平成14年)に上智大学法学部を卒業し、2010年(平成22年)に東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了する。学位論文は「世界政治と規範変容 重債務貧困国の債務救済における国際規範形成をめぐって」であり、博士(学術)を取得する[3]。 2010年(平成22年)に立教大学法学部助教、2012年(平成24年)に高千穂大学准教授、2016年(平成28年)から同大学教授を務める。また、2010年(平成22年)から2021年(令和3年)3月まで国際基督教大学社会科学研究所で研究員を務めた[4]。 2013年(平成25年)12月2日には、2013ユーキャン新語・流行語大賞トップテンに「ヘイトスピーチ」がランクインしたことで、「その「ことば」に深くかかわった
ISBN: 9784000258999 発売⽇: 2013/04/01 サイズ: 20cm/473,15p 統合の終焉―EUの実像と論理 [著]遠藤乾 昨秋、欧州連合(EU)加盟国の対外文化機関の連合体であるEUNICの本部(ブリュッセル)を訪れる機会があった。ときはユーロ危機の真っただ中。EUへの悲観論が支配的だった頃だ。 ところがスタッフは意にも介していないようで、いたって楽観的。すっかり拍子抜けしてしまうと同時に、EUという存在の捉(とら)えにくさを改めて実感した。今も英国がEU脱退を検討する一方、来月にはクロアチアが新たに加盟する。 EUを動かしている運動律=論理とは一体何なのか。 EUの形成過程からその実像、思想的含意までを精査しながら、著者は「欧州合衆国」のような大文字の「統合」はもはや望むべくもないものの、EU以前の世界に戻れないほど小文字の「統合」が進んでいると説く。 曰(
ゼミでしゃべったことをもとに。 ================== 中江兆民『三酔人経綸問答』という本の切迫感とアクチュアリティを支えているのはその独特の問答体、三人のキャラクターが、それぞれある程度一貫した政治思想的なスタンスのみならず、人格的な個性、肉体的な息遣いまでをも割り振られ、論争を繰り広げるという体裁である。これはたとえば丸山真男が指摘している通り、世界的にのみならず、日本の思想史上もいくつかの先例を見つけることができるスタイルであるが、その中でもある種の突出性を帯びている。 複数の登場人物のうちの特定の一人、主人公格のキャラクターが、著者自身の思想を仮託され、他のキャラクターたちはこの主人公、すなわちは思想家としての著者自身に対する(仮想)論敵としてありうべき疑問、反論を突き付け、それに対して主人公が応じる、というスタイルは、ひとつのありふれたパターンである。はなはだしい場
自民党の憲法草案をめぐって、同党の内部でも異論があるようだ。詳しくはこちら。 憲法に「家族の助け合い」を入れるべきか?自民党改憲草案に河野太郎議員が反論 憲法をめぐっては、9条や96条などの様々な争点が存在するが、ここでは少し違った角度から、この問題について考えてみたい。 勝者が正義をつくるのか 「正義」という概念がある。よく言われるのが、「勝った奴が正義だ!」みたいな話。たとえば、人気マンガ『ワンピース』ではこんなシーンがある。 巨大な戦力を誇る大海賊と海軍との戦争が始まる。むろん、それぞれに「正しさ」がある。一方においては、捕らえられた仲間を助けるという正しさ、もう一方には秩序を守るという正しさ。そんななかで、登場人物の一人、ドフラミンゴは次のように叫ぶ。(誰に向かって叫んでいるのかは謎である。たぶん読者であろう) 海賊が悪!?海軍が正義!?そんなものはいくらでも塗り替えられてきた…!
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