「河野談話」発表後の河野氏の会見について | JBL４３４４とプラスα
現在の慰安婦問題の対決点は、河野談話は継承するが、談話公表直後の会見での河野洋平氏の発言によって、ありもしない「強制連行」があったことにされた、売国奴＝河野という流れになっている。 吉田証言と河野談話の関連性については論破され言うことができなくなり、外国の目が怖くて「河野談話」を廃棄するともいえない。 そこで、「河野が悪い」と個人攻撃して、結果として「河野談話」にネガティブな印象を与えて憂さを晴らす。それが安倍首相や菅官房長官の発言にもつながった。表立っては何も反論していない河野氏の心中はいかばかりか。胸が痛む。 河野氏の会見での発言を問題視することの根拠のなさは、安倍政権が任命した検証チーム（秦郁彦も参加）の報告自身が皮肉にも明らかにしているので、まだ読んでいない方はぜひ全文読んでいただきたい。 本来出すべきではない外交機密を一方的に出した弊害は大きいが、「河野談話」をめぐる日韓政府の攻
産経前ソウル支局長起訴問題について | JBL４３４４とプラスα
外交問題に発展した産経新聞前ソウル支局長の起訴について。 ①問題になっている産経のコラムなるものは、「報道」に値するとは思えないひどい代物である。朝鮮日報の記事に依拠しているようにみせながら、「証券街の関係筋」を登場させて朴大統領にセウォル号事故の対応をほっぽり出して不倫密会していた「ウワサ」があるなどと、巧妙に責任逃れの伏線を張りながら書いている。書きっぱなしのいわゆる「週刊誌スタイル」で、独自の取材があるわけでもない。政権の批判などとは到底言えない、姑息で無責任な切り貼りによる、誹謗・セクハラの類だ。 肝心の「親密な男女関係」の部分は、朝鮮日報の記事の引用ではなく、「証券街の関係筋」の話として引っ張ってきて書いており、その程度では一般的に真実と信じるに足る状況であったと言い張ることもできない。日本なら名誉毀損が成立する可能性は十分にあるレベルのものだ。自分がデスクなら根拠薄弱な「ウワサ
朝日「吉田調書」誤報について | JBL４３４４とプラスα
朝日「吉田調書」誤報問題で、よく分からないのは、事故後の現場の大混乱の中で、所長命令が錯綜して意思疎通が出来ないことは大いにありうることで、その中の一断面に過ぎない、とりあえず「結果オーライ」になった事例をことさら取り出して「現場の任務放棄」とスクープ仕立てにした朝日の判断なわけで、誤報というより判断も問題のような気がしますが、ただそういうことって現実にはありますよね。 ペンが走るというか、書きすぎてしまう。自分がやってしまう時もあるし、県政関連でも目の当たりにすることは少なくないです。 こういうと身も蓋もないですが、新聞ってその程度のもの。間違いだらけ。ファクトに迫ることはそんなに簡単ではない。 人間がやることですから、いくらチェックしてもやはり主観に流されることはあります。ましてや国家権力が隠すために必死になっている問題を暴こうというからには間違うリスクも多い。だからこそ慎重さが求めら
大和川を挟んで見えた命への向き合い方 | JBL４３４４とプラスα
9月16日、台風18号の影響による豪雨により、古都・京都の桂川が氾濫して甚大な被害が出た。京都出身の知人に聞くと、少なくともこの30年間は京都市で浸水被害の記憶はないと言うから大変な事態である。 同日、奈良県を源とし、堺市と大阪市の境界を流れる大和川も水位が異常に上がり氾濫の危険が生じたことから堺・大阪市の数十万人に避難勧告が出されたその時、、、 前日の15日に堺市長選が告示された。日本維新の会を率いる橋下徹・大阪市長が、大阪都構想に反対する現職・竹山修身市長打倒に全力をあげる激しい選挙戦だ。 16日午前、堺市内の川が増水したことから竹山氏は選挙活動を中止。午前8時に市役所に登庁して担当者から状況を確認し、避難勧告を発令するなど対応した。市民の命を預かる市長として当然だろう。 その一方、大和川対岸の橋下大阪市長はというと、大変な状況が報じられている中でも登庁すらせず、自宅マンションからツイ
ＤＶ・児童虐待と何が違うのか？ | JBL４３４４とプラスα
大阪市立桜宮高校のバスケットボール部主将の2年生男子が、部顧問教諭の体罰を要因に自宅で首を吊って自殺した事件は、日本の学校クラブ活動のどうしようもない病巣を白日の下に晒した。 この高校はインターハイ常連強豪校だったというが、加害教師は保健体育教員で18年間異動していない。自分も最近まで某県立高校のＰＴＡ役員を5年間やったので、公立高校の内部事情は理解できるつもりだが、王朝化して誰も意見できず、意志薄弱な管理職では口出しできない雰囲気になりがちな、その様子は想像がつく。 驚くのは、メデイアもネット上の議論でも、「行きすぎ」が問題であり、体罰はありうると肯定する声が未だに少なくないこと。今日の朝日の天声人語も「愛の鞭」を肯定しながらの及び腰で意味がよく分からなかったし、橋下大阪市長も、「30～40発は暴行だ」とコメントしたが「１発でもダメだ」とは言わない。 ならば5発はどうなのか、10発は？？
橋下徹「週刊朝日」連載、「報道と人権委員会」の見解 | JBL４３４４とプラスα
週刊朝日問題、出版社社長のクビが飛び、朝日新聞に検証文、筆者・佐野眞一の平謝りの謝罪文が出され、橋下徹が「納得した」で一件落着したようだ。 この無意味なドタバタ劇で、結局のところ、「部落問題に関わると面倒」という「部落タブー」がまた増幅されていくのだろうなと。 朝日新聞社の第三者機関「報道と人権委員会」は、今回の問題を検証し、「見出しを含め、記事は橋下氏の出自を根拠に人格を否定するという誤った考えを基調とし、人間の主体的尊厳性を見失っている」、「記事中に橋下氏を直接侮辱する表現や、被差別部落の地名を特定するなど、差別を助長する表現が複数書かれていたほか、主要部分が信頼性の疑わしい話で構成されている」として、「差別や偏見などの不当な人権抑圧と闘うことを使命とし、正確な報道に努めるべき報道機関として、あってはならない過ち。差別の認識と人権への配慮を欠き、編集部のチェック体制が機能していない」と
週刊朝日「ハシシタ奴の本性」を読んで | JBL４３４４とプラスα
話題沸騰、連載中止になった『週刊朝日』の橋下連載「ハシシタ奴の本性」の第1回目を読んだ。想像していた以上に、くだらなかった。 これまで文春や新潮がやりその程度を批判され、大阪市長選で橋下の追い風になった父親ネタの二番煎じもいいところで、いまさら何が言いたいのかよくわからなかった。 ライター・佐野某の橋下への嫌悪感は分かるが、それだけ。「テレビはうんこにでもとびつく」とか、端々に幼児的で知的レベルが伺いしれる記述も目立つ。 自分は橋下の生育過程において大阪の同和行政や教育が与えた影響は少なくないと考えていて、そこを深めることは否定しないが、この連載には、維新の会のパーティで出会った訳のわからんおっさんの話とか、血脈の話とか、この書き手は何をいいたいのか？？？という感じ。 『週刊朝日』は、さぞかし頭の良い人達が作っている雑誌だと思うのだが、この程度の原稿を是として載せてしまう感覚が意味不明。
不快感の原因 | JBL４３４４とプラスα
原発を推進してきた学者、政府、電力会社の話を聞いていると、いつも不快感に襲われ苛つきを感じる。これは何なのだろうか。たぶん根本的に哲学がおかしいのだと思う。 全電源喪失はありえない、五重の壁が破られるシビアアクシデントは発生しない、圧力容器が破壊することはありえない、発電量が大きくなっていくことによる炉の巨大化を回避するため安全係数を下げる・・・・。ありえない、ありえない。 手前勝手に設定した「想定」線を引いて、それは超えないことにする。「どこかで線を引かねば原発はできない」と斑目とかでたらめとかいう偉い先生が言っていたというが、まさにそれは「正論」なのだ。 つまり、手前勝手な線を引かず、真摯に向き合えば、実用化はできないレベルでしかないのではないか。原子力発電は。そもそも廃棄物の処理すら定まっていないようなものを、既成事実化して始めてしまっているところから間違っている。 電気は人間が作る
沢口山遭難 | JBL４３４４とプラスα
静岡県の沢口山（１４２４メートル）で会社員や大学院生の登山未経験の２０代の５人グループが下山できなくなり、二晩ビバークの末、無事救助されたというニュース。 先日、青山千彰先生を批判したばかりであったが、それを地でいく事例だと思われるので、この事故について少し考え、無事生還できた理由についても述べてみたい。 遭難グループがとったのはごく一般的なハイキングコースで寸又峡温泉から尾根道を標高差９００メートル登るコース。標高差がわりとあるので、ラクチンではないかもしれないが、ごく一般的なハイキング道である。 事故の概要は各報道をまとめると１０月３１日14時頃、沢口山山頂から下山を始めたが、小雨と霧に見舞われ、登りと同じコースのつもりで下山開始して約２０分後、「登りと風景が違う」と気付いた。沢筋をたどれば下山できると考え、沢を探して下っているうち、山頂南側の標高１０００メートル付近の崖で身動きが取れ
槍の穂先のＣＭ撮影 | JBL４３４４とプラスα
北ア槍ケ岳で日清食品がＣＭ撮影のために穂先を占拠したことが問題になり、ＣＭ放映中止に追い込まれた。穂先でタレントがラーメンを食うのをヘリから空撮したらしい。 撮影隊がピケットラインをはって、登山者を阻止したのは、穂先直下の梯子みたいで、本当ならそこで通せんぼはやはりまずいだろう。梯子は直角で怖がる人も多いし、すれちがいも満足にできない狭いスペースで、危険でもある。 肩の小屋でビールのみ放題サービスでもやって足止めしときゃよかったのに。でも、いくら封鎖しても撮影の大事なところで、北鎌側からひょこり出てきたら、どーすんだろ。オイオイ言うても、登ってくるし、自分ならＣＭ撮影隊の言うことなど聞きませんけどね。 いくらなんでもハイシーズンに最も混雑して、登山者の思い入れが強い穂先でこういうことやらかすのは、分かってないというか、ガイドもちゃんといわんといかんろ。小槍やジャンダルムにしておきゃよかたっ
日テレスタッフ遭難に思う | JBL４３４４とプラスα
日本テレビのスタッフ２人が奥秩父の滝川で死亡した事故。ブドウ沢の事故の３次災害となってしまった。 事故の要因を「装備が軽装だった」とする報道が目立つが、違和感がある。装備は軽装だったのだろうが、もっと根本的に、沢登りができない人が無謀に入渓したことによる起こりうるべくして起こった事故のように思えるのだ。 装備として服装のことばかり言われるが、ハーネスや登攀具はどうだったのか？それなしにロープを持っていても意味がない。いや彼らに、そもそも、クライミング技術があったのか？ガイドは足取りが不慣れだったと言っているわけで怪しい。 沢のリーダーをやるにはリードができるクライマーでプラス沢の経験がなければできないし、２人パーティであるから、メンバーにもトップを確保するなどクライミング技術が求められた。聞くところによるとこういう関東のポピュラーな沢には残置ハーケンやボルトがたくさんあるというが（四国の沢
共産党ＣＭ ハムスター、文鳥、コースター編 | JBL４３４４とプラスα
共産党のネットＣＭ。一時はお蔵入りかと思われたが、ようやく陽の目を見た。しょうもないけど、党首をまったく出そうともしない思い切りのよさ、「らしくなく」キレているのがいい。最後の「にほんきょうさんとう」のナレーションの調子とかは、あいかわらずだが、一定の話題にはなるのではないだろうか。共産党が公式にこのようなシュールなＣＭを出したこと自体は評価できる。まだ他のバージョンがあるのだが、どうせなら消費税の大阪弁バージョンも復活させていただきたい。まだ逡巡があるような感じもするが、こういうのは毒を食らわば皿までというか、モジモジしていてはダメ。思い切りが肝心だろう。 他バージョンはこちら。 http://www.jcp.or.jp/movie/10mov/20100701/index.html
ヒゲ禁止？ | JBL４３４４とプラスα
群馬のどっかの市役所の「ヒゲ禁止」。何に付けてもなぜ、これほどにこの社会は不寛容になってしまったのか。 そもそも、一片の通知で「お願い」ならまだしも、「禁止」できると思っている市役所の前近代性に驚く。 理由は「不快に思う市民もおる」。「公務員は公務員らしく」・・・ それがどうした。不快に思う人もいれば、かっこいいと思う人もいるし、気にならない人もいるだろう。苦情があったというが、そんなクレーマーは無視すればよろしい。「公務員らしく」って何やねん？ぜんぜん理由になってない。逆にいえば、クレームを受けた職員が市民本位の仕事をしていなかったということかもしれない。 それにしても、なぜ全員に好かれなければならないのか。というか、全員に好かれるなどということはありえないし、そんな社会は気味が悪い。 社会常識としてのTPOは当然あるわけだが、それは時代によってかわるし、個人の価値観で異なるのは当たり前
同姓同名 | JBL４３４４とプラスα
知事がさっそく依存気味になっているツイッターですが、どうも自分のところをフォローをしてくる人に、相当数元横浜市長と勝手に勘違いしている方が、いらっしやるようなんですよ。どう考えても、自分に関心を持つはずのない遠く地域的にはなれている方とか。 勝手に間違われて、「チェ別人じゃんか」と思われてもいやなんですが、いちいち「僕、元横浜市長じゃないですよ」と言ってまわるわけにもいかんし。 若い頃は、中田と言えばカウスボタンか大丸ラケットくらいのものだったのですが、サッカーの中田英寿あたりから、なんだか中田という有名人が増えて、しまいに同姓同名まで。 ゴミ有料化案、高知市議会厚生委では否決。市民ク、公明、共産の反対。自民は継続を主張、新風の帯屋町出身市議は、このような状況に怒って環境部幹部に詰め寄ってました。 でも帯屋町にしても、６億円も市民の財布から抜かれるわけで（おまけに３億円は焼却炉に投げ込む！
安芸市議会予算を否決 | JBL４３４４とプラスα
安芸市議会が２２年度当初予算を否決した。反対9、賛成8。廃止条例の否決、問責決議を無視して穴内保育所閉鎖をゴリ押する松本市長の姿勢が原因。 なんだか安芸市が阿久根市化しているような感じ。 県議会副議長選挙。下馬評では樋口１９、中内１９で同数でくじ引きということだったが、１人寝返りが出て樋口さんに決定。まあどっちでもいいのですが。
必殺仕分け人 | JBL４３４４とプラスα
「事業仕分け」。あれは一体なんなのか。 第一印象は「1時間のテレビ番組みたい」。細木なんとかみたいなタレントの必殺仕分け人が、衆人環視の中で、悪代官を切るみたいなイメージ。はたまた人民裁判、魔女狩りか。 予算の向こう側に、国民の暮らしがあることを彼らは理解しているとは思えない。エンタテインメントか自己宣伝くらいにしか思っていないのではないか。もっとまじめにやってもらいたい。あまりの馬鹿さ加減に実は本当は政権を維持するつもりなどさらさらなくて、自ら崩壊を早めようとしているとさえ思えてしまう。 自分がすごく目障りなのは、仕分け人をやっている東京選出の元クラリオンガールの参議院議員。このお方の知ったがぶりはかなり鼻につく。 素人が現場の声も聞かず、思いつきで、こういうことをやってはいけない。行政の仕事は一見無駄に見えても、実は大事なことというのは、数限りなくあるものだ。 自分も、こういう仕事をか
構造改革の理念？ | JBL４３４４とプラスα
ＮＨＫ「権力の興亡」というドキュメント。小沢を軸に細川、村山自社さ政権から小泉ブーム、鳩山新政権までの歴史を当事者の証言を中心によくまとめており興味深かった。 一番印象に残ったのは、村山氏が自らを「自民党を延命させただけだった。首相をすべきではなかった」みたいなことをポツリと言ったこと。 「今頃になって何寝たぼけたこど言いゆうがな」とは思うが、まあそのとおりである。社会党は首相を出し、自民党に飲み込まれて使い捨てにされ消滅した。 そして小泉のあの民衆の熱狂のすさまじさを改めて映像で見て、ありありと思い出した。同じように３００議席をとったとはいえ、今回の民主党へのシラっとした感じとはまったくの別次元だった。 さて、この番組でコメンテーターとして出ていた山口二郎・北大教授。いつものＮＨＫ御用達の左派系知識人で、立ち位置は民主党シンパみたいな感じ。「政権交代に邪魔なので共産党は引っ込め」みたいな
高校無償化のバーターで特別控除縮小とは・・・ | JBL４３４４とプラスα
民主党新政権の教育政策の具体像が見えてきたが、やはり財源論はかなり怪しい。報道されている限りでの印象ではあるが、、こんなことでは話にならない。 ①義務教員の人件費の国負担の３分の１から４分の１への引き下げ、 ②高校生のいる世帯などが受けている特別控除縮小廃止 そもそも、「ひもつき補助金」は無駄であり、一括交付金化して削減するというのは、民主党の持論であったわけで、そういう意味では予想通りであるが、もう少しカムフラージュするかと思っていた。どっこいこらえ性がないというか、仕事が早いというか、衣の下の鎧がもろ見えだ。 義務教育に果たす国の責任を縮小し、「構造改革」の加速に等しい。これでは教育の地方格差は一層ひろがる。国民の総選挙での審判は、そういう方向を否定し、どの地域に住んでいても普通に暮らせる政治を求めたのではなかったのか？ もちろん、ことは重大であるから、そう簡単にできるはずもない。各地
湯浅氏の講演 | JBL４３４４とプラスα
１０月１２日、湯浅誠氏が高知市で講演した。聴衆は５００人以上集まり大盛況だった。彼の話を聞いたのは２度目だったが、鋭い感性、巧みな話術はさすがで、自己責任論批判や「貧困を可視化」させるという運動の戦略はさすがだ。 ただ少し気になったのは、２回にわたり４時間ほど彼の話を聞いたのだが、彼の口から一回も憲法２５条という言葉が出てこなかったような気がすること。気のせいだろうか。「相対的貧困」、「かわいそうだけれどしかたがない」層を問題にする時、中央値の半分以下というような計算式と同時に、憲法２５条からみてその生活実態がどうなのか？という視点も欠かせないはず。宇都宮弁護士はそういう観点からの指摘があるように思うが、そこに言及がなかったのが、少し気になっているのだが、考えすぎだろうか。ひょっとしてあえて触れないようにしているのだろうか。 もうひとつ、これは会場からの声なのだが、「もやいにカンパしたい」
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