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ブックマーク / delete-all.hatenablog.com (68)

  • 和牛特上カルビの夜にウメーシュ - Everything You’ve Ever Dreamed

    ショートケーキにホイップされたクリームを従えて乗っかっている苺や、ハンバーグの横でバターにまみれて人参・インゲン・コーンとつるんでガロニ顔している馬鈴薯や、駅前にある定屋のネギトロ定に付いてくる茶碗蒸しの底にいる銀杏はピリリとスパイスの効いた小さい宝物みたいなもので、僕は最後の最後まで大事に取っておいて期待を最大限に膨らませてからべるようにしている。炭火焼肉屋の網上煙下唯我独尊宝物は特上カルビ。それを惜し気もなく迷いのない初球打ちでひょひょいとべてしまう口元を眺めながら僕は当にこの口元と同じ遺伝子を持っているのかと疑ってしまう。 長年勤めた仕事を辞めた母の慰労で焼肉をべに行ったのはこの夏の終わり。僕がオーダーをチャチャっと済ませたところに母が切り出す。「焼肉を奢ってくれるなんて珍しいわね。何を企んでいるの?金?あんたにあげる金は一円もないわ。そういえばこないだ生命保険に入ったっ

    和牛特上カルビの夜にウメーシュ - Everything You’ve Ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/10/21
    いい話。/何もしてあげられていない自分にウメーッシュ!
  • 部長がキャバクラに誘ってくれてから1時間が過ぎました。 - Everything You’ve Ever Dreamed

    午後6時。戦いのゴングは鳴る。ゴングは中ジョッキがぶつかりあう乾いたガラスの衝突音。ゴヅチーン。衝撃が古代シダ科の葉脈のように僕の痛んだ腰の隅々に響き渡っていく。テナントビル三階に入っている居酒屋がコロシアムで、膝が付いてしまうような小さな正方形のテーブルがリング。青コーナーが部長で赤コーナーが僕。乾杯の際の不幸な事故を装った僕の殺人中ジョッキパンチを「なんだ今日のお通しは?貝か?何の貝だ?おい?」ダッキングで部長が軽くかわし、僕の拳は宙を切る。そこに部長が反則吐息カウンター攻撃。「ブフゥー!。今日のビールは格別だなあ」。知るか。臭い。この若気が致命傷になって生ビールを飲むふりをしながら鼻を塞ごうとする動作が僅かに遅れ、臭気の侵入を許してしまう。テーブルの飛び越えて流れこんでくる匂いはピザに似ていた。脇なのか口なのか頭皮なのか。発生源を特定しようとする試みは数秒の抗戦ののち、戦意と共に永遠

    部長がキャバクラに誘ってくれてから1時間が過ぎました。 - Everything You’ve Ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/10/16
    オエーッ!めっちゃ吐き気~ウキウキな…何を希望すればいいんですか><
  • コスモナウトのうた - Everything You’ve Ever Dreamed

    床に落ちた消費者金融のティッシュペーパー。薄いビニールに印刷された笑顔が歪んでいる。僕はそれを拾ってポケットに突っ込んでから、上着を脱ぎ、鞄をラックに放り込み、窓際の席に腰を落とす。左では四角に切り取られた街並みが後ろへと流れ始めていた。午後5時半。この街の夕暮れは僕の住む街よりもいくぶん遅いけれどすでに夜の気配が忍び込んでいる。首を締め付けていたネクタイを緩め駅で仕入れておいたビールを一口飲み、ヘッドフォンで耳を塞ぐ。僕と同じようなスーツ姿の男たちの賑わいに膜がかかる。影によって色彩を失い見えない明かりの点きだしたビルディングはまるで方眼紙のよう。僕は僕のための音楽を、僕の耳で聴く。ヘッドフォンで仕切られた小さなハコでロックンロールが流れ始める。アージ・オーヴァーキル。 目を軽くとじ一日を振り返る。相手のうわの空のスタイル、空返事、軽蔑を孕んだ視線、空気洗浄器に吸い取られていく紫煙がつく

    コスモナウトのうた - Everything You’ve Ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/10/14
    きっとマヤちゃんはこのエントリを読んでアクションを起こしてくれると思います
  • お兄ちゃん大好きーっ - Everything You’ve Ever Dreamed

    僕は18才になる妹と二人暮らしをしている。僕が高校生三年のときにやってきた妹と僕の間に血の繋がりはない。妹は7月に身体を壊して僕の部屋で療養している。そんな妹がひと月ほど前からお弁当をつくり始めた。今朝も早起きしてキッチンを賑やかにしている。朝六時半。眠りから覚まされた僕はシルクのパジャマを脱いでタンクトップを着てキッチンへ顔を出し声をかける。「あまり無理するなよ。また身体を壊すぞ」 「あ、お兄ちゃんオハヨー。大丈夫!大丈夫!もしかして…起こしちゃった?」上目遣いで僕に許しを乞う。「ちょうどいい目覚ましになったよ…」と僕。妹の笑顔が弾ける。「てへへゴメーン。それよりお兄ちゃん見て見て!これー!」「やれやれ参ったな。気が済むまでやればいいさ」そういって傍らに立ち、すっと覗きこむ。妹は白いエプロン姿で両手を後ろで組みもじもじしている。 妹の左手の指の先にあるフライパンのなかではウインナーが三つ

    お兄ちゃん大好きーっ - Everything You’ve Ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/10/10
    買い替え…もとい、新しい妹を貰うわけにはいきませんものね!/冷凍のくだりで新垣栗山ゆま蛯原クリステル璃子の存在を思い出しました。文章の組み立てがうますぎです
  • 眉唾ゴックン - Everything You’ve Ever Dreamed

    ハローサムシンッ!人を欺き、傷つける種類の嘘そのものと、そういった嘘を生み出す存在を僕は憎んでいる。今、僕は品関係の仕事をしていて、直接被害に遭ったわけではないけれど品偽装の問題で慌ただしい毎日を送っている。疲れが僕の身体を突き抜けてアリトルビットナチュナルハイ。品についての様々なニュースへの社会的な関心が大きいのは、それが口から体内へと摂取されるからだろう。確かに得体のしれないものを実際に口に入れたり、入れたときの記憶を再生したり、入れる可能性を想像したりすれば、「オエーーッゲボボボボッ」が身体の奥底から噴き出てくるのが普通の人間だろう。 僕が嘘を憎むようになったのは一の笛が原因だ。誰でも小学生くらいの時期に好きな人のリコーダーを舐めたくて仕方がなくなった経験があるだろう。阪急にブーマーがやってきて、春のキャンプにブーマーネットが出来たころ、僕は重度の好きな女の子リコーダー舐めた

    眉唾ゴックン - Everything You’ve Ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/10/06
    偽装(名前シール)を見抜けなかった消費者(フミオさん)が悪いのか、偽装をしたメーカー(クラッシャー)が悪いのか、とか考えました
  • ケータイ小説的日記「ボクオッパイ」 - Everything You’ve Ever Dreamed

    削除。

    ケータイ小説的日記「ボクオッパイ」 - Everything You’ve Ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/09/27
    「みたいな/見たいな/揉みたいな」の流れはさすがとしか言いようがないです。「ケータイオッパイ小説」という新しいジャンルの誕生を目の当たりにしました
  • 悲しみよさようなら - Everything you've ever Dreamed

    福岡の事件を聞いて僕はひどくショックを受けた。事件の続報を追う気力が萎えてしまうには十分なほどに。断片的に伝えられた事件の背景に僕の子供のころと似ている点があったからだ。身体に障害のある母親、発達障害のある子供、子供が親を詰り、親が子供を殺した。それが僕が知っている事件の全てといっていい。そして学童保育という単語。学童保育。ガクドー。僕も、両親の仕事が忙しかったので学校が終わると家ではなくガクドーに寄っていた。もちろん喧嘩はしたけれどそこでの時間はそう悪いものでもなかった。図書室でを借りて帰ればいくらでも想像の世界に没頭できたし、学校のものに比べると小さかったけれど鉄棒や滑り台といった遊戯具もあったし、ピアノやアコーディオンといった楽器もあった。いくらでも時間は潰せた。僕は扱いづらい子供だった。通信簿の備考欄みたいなところには「集団生活に難あり」みたいな記述がいつもあって、それをみても親

    悲しみよさようなら - Everything you've ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/09/25
    朝から泣かせないでください!
  • ドラえもんオッサン - Everything You’ve Ever Dreamed

    今月最強クラスの憂の馬鹿野郎がヒュプノス様に飛び蹴りを喰らわせてどこかにすっ飛ばしたらしく僕は眠れないまま朝を迎えた。明け方の暗闇を斜めに切る雷雨。雷鳴と稲光の競演。雨音を背景にカーテンで織り成される光と影のショーを僕は万年床の上に体育座りでブリーフを震わせながら眺めていた。我が家には雨戸を閉めたり鍵をかけたりといった習慣がないのでお天気ショーはひょっとしたら隣人よりも近い距離にいる。虫や雀が飛び込んでくるのもしばしばで、さすがに今はもう喜んだりすることはなくなったけれど子供のころは闖入者のたびに弟と二人で大喜びしたものだ。カブトムシは僕ら兄弟にとってクロマティ級のスーパースターだった。「兄ちゃんカブトムシだー」「ぷうぷぷそれコクワガタだよバーカ」 小学生のとき僕ら兄弟はドラえもんが大好きで、父親に頼みこみ、部屋に二つ並んだ押し入れの上段に布団を運びこんで寝ていた。ある晩、弟が僕の頭上に

    ドラえもんオッサン - Everything You’ve Ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/09/23
    驚くポイントはここだと思う→「30センチの竹定規じゃ少し役不足」
  • 透けブラ少女は空を翔る - Everything You’ve Ever Dreamed

    事故を告げる電光掲示板。僕はホームから夜空を眺めた。人身。遅延。予め組み込まれた橙色の文字列が素知らぬ顔で左から右へと秋風のなかをすり抜けていく。左から右へ。橙色のドット。駅員に詰問する会社員風の男。弁明する腕章を巻いた駅員。喧騒。ヘッドフォンをして気長に電車の到来を待つことにした僕に、女性が「なにがあったんですか」と尋ねてきた。僕は電光掲示板に映しだされた文字をそのまま声にして繰り返した。音のないヘッドフォンを介した僕の声はやけに無機質で遠く、あの掲示板の親戚みたいだった。ヘッドフォンの音量を上げる。プライマル・スクリームの「ロックス」が僕に飛び込んできた。 「ロックス」が収録されていたアルバムは出来損ないのストーンズみたいだった。カート・コバーンがショットガンで頭をぶち抜いたあの年の秋、大学生だった僕はダメストーンズをCDウォークマンに入れてヘビーローテーションしていた。あの日も何かの

    透けブラ少女は空を翔る - Everything You’ve Ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/09/17
    僕もまだまだもがき続けなければいけないと思いました。なんですかこれ、すごすぎです。
  • グレイトフルデイズデッド - Everything You’ve Ever Dreamed

    土曜の朝。テレビは「皇室アルバム」。僕は1000mlパック牛乳に口を直接付けて飲む。牛乳が僕の喉をごろごろと鳴らして身体の一部になっていく。小学生のときに「牛乳は飲むんじゃなくて噛むんだ」と先生に言われたのが習慣になっている。もぐもぐもぐもぐもぐ。もぐもぐ噛みながら僕は朝を観察する。静かだ。近隣のオッサンどもの奏でるオエーッ協奏曲も今朝はない。朝日が差し込む机の上。過去に読まれていない雑誌、未来に読む可能性のない雑誌の山。雑誌を捨てられるのは月に二回。第一・第三火曜日。この連休が明ける前に捨てられるようにしておかねばならない。牛乳をもぐもぐと噛み終えた僕は雑誌をまとめて適当な大きさの塊にしてビニル紐で縛っていった。写真雑誌が一冊こぼれ落ち、けばけばしいゴシップが床のうえで派手に踊り僕はとても悲しい気持ちになる。二世タレントのスクープ。不倫。僕はこういう記事が嫌いだ。大きなオッパイをした奥さ

    グレイトフルデイズデッド - Everything You’ve Ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/09/16
    これはいいライム。次回作は「静かな日々の猥談を」でお願いします
  • 暇なオッサンがまたまたステンドグラスをつくってみた - Everything You’ve Ever Dreamed

    天気がよかったのでビールを飲みながらベランダで寝転んでいた。空は突き抜けるように青く、雲ひとつなかった。「夏も終わり…」「厳しい残暑…」。昨夜。近日中にプロ野球のスター選手との熱愛が発覚するに違いないお天気お姉さんが涼しげな顔で夏の終わりを言葉のなかに刻んでいた。昨夜。FMヨコハマからは森山直太朗の歌が流れていた。「夏のおーわーりー」。僕よりもずっと年下なのに「お姉さん」なんて見栄を張り、嘘を付いている奴の言うことなんて僕は信用しない。森山直太朗はよく知らないけれど、そのフレーズは「さくら(独唱)」幻の四番だろ。さくらは春だ。 この青い空を見ろ。夏の予感で満ち満ちているじゃないか。蝉の鳴き声もまばらだ。9月だって?6月の間違いだろう?シックスナイン間違ってるだろう。お願いだ。そう言っておくれよ。何か大きな世界システムみたいなものが僕を騙しているって言っておくれよ。何もやってないんだ。恋。コ

    暇なオッサンがまたまたステンドグラスをつくってみた - Everything You’ve Ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/09/10
    絵も文も敵わないなあ。すごい。空がいい。夏が終わったって素敵な秋がきますよね
  • あなたとは違うんです - Everything You’ve Ever Dreamed

    「あなたとは違うんです」とは中華料理屋の壁のちょっと高いところに置かれたナショナル製14型テレビから飛び出してきたメガネをかけたちょっと偉そうなハゲの言葉で、僕はカウンター席で醤油ラーメンをズズッズーとすすりながらそれを聞いて「うわっ人間くせえオッサンだなあ」という感想しか出てこなかったのだけれど、後ろのテーブルでさっきまでパチンコ大負け選手権をしていたオッサンたちが一斉にハゲを罵りだしたのはなんだか可笑しかった。政治家としては、昔の全日プロレスに喩えると打ち合わせにない投げっ放しジャーマンを喰らわせるようなもので、おいおい昨日のマットと違うことされても困るんだけど、聞いてないよって感じでお世辞にもほめられたものではないけれど、オッサンたちがパチンコでウン万円負けたこととはまったく別の次元の話だ。「最近パチンコでねーウゲッ」「今月いくらつぎこんでると思うんだーオエー」「馬もこねーウェ」オ

    あなたとは違うんです - Everything You’ve Ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/09/05
    感動で胸がおっぱいになった。なったって言うかすでになってますけどね。
  • まごころを、キミに - Everything You’ve Ever Dreamed

    お気に入りの真心ブラザーズがインナーイヤフォンの片方から流れ出すとぷるぷるとしてキミはいつも嬉しそう。キミに宣言されなくても僕にはわかっている。キミのフェイバリットソングが「ポプラ」だって。ポプラ。シングルカットもされていない地味な、だけど穏やかな気分にしてくれるいい曲。酷い二日酔いでデスラー総統みたいな青い顔をした僕は、「飛鳥了って男なのかな?女なのかな?」「水着着なくなった優香に意味ないよね」「上がってんの?下がってんの?オッエエオエエッーッ」「今月のキャンキャンの表紙、どれがエビちゃんなの?」と適当な軽口を叩いて横目で呆れているキミの機嫌を伺いながらパパパッとドラマに出てくる天才外科医かマジシャンみたいな手馴れた手付きを華麗に披露して、月賦で買ったiPodnano8ギガ(色:ブラザーブラック)を操り「ポプラ」を探す。 電源オン。クリックホイール。シュり、クリッ。お目当て発見。クリッ。

    まごころを、キミに - Everything You’ve Ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/08/29
    子猫ちゃんというより小鳥ちゃんですね。違う、鳥の子ちゃんか。
  • やっつけ仕事 - Everything You’ve Ever Dreamed

    駅前のビルディングに囲まれ歪な多角形に切り取られた空には夕方になると大きな黒い影が現れびょびょっびょびょと諸声をあげて飛ぶ。黒い影の正体は鳥の群れであたかも一の生物のように大きさ、形状、濃度を絶えず変化させながら建物から建物、街路樹から街路樹へと飛ぶ。諸声のポリフォニーが空間を埋める。ただでさえ狭い夕空を狭く暗く塗る。夏の空ってこんなに暗いものだったのか。陰にさせるものだったのか。花火大会へと向かう賑やかな人の流れに逆らって僕は歩く。一人だけ取り残されたような気持ちになって下を向いて。いつしか僕は陽射しを避け空を眺めるのをやめ一日をやり過ごしては酒に逃げるようになっていた。 「お酒やめたら?」大学最後の夏の終わり、人気のない構内をビール片手にふらりふらりと歩いていた僕に忠告してくれた女の子がいた。同じ文芸サークルの黒目がちで丸っこい眼がキュートなオッパイの大きな子。ただし僕の方は大学に入

    やっつけ仕事 - Everything You’ve Ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/08/20
    「びょびょっびょびょ」の語感とか、絶頂集からタイトル引用するところとか、大好きです
  • メロウ - Everything you've ever Dreamed

    午後3時。新宿は真夏の陽射しとビルの群れに飲み込まれたオフィスや飲店からの排熱と多種多様な店頭から流れる音とで巨大なスチームコンベクションとオーディオシステムのなかにいるような状態で、嫌でも汗がたらたらと噴き出してくる。既に仕事を終えていた僕はルールに則って会社に連絡を入れようとワイシャツのポケットからケータイを取り出しアドレス帳の「く」のページを開き「クソ会社」にカーソルを当てて通話ボタンを押す。ププププ。会社の代表番号は総務に繋がっていてわが社の誇るAカップガールマヤちゃんが電話をとる。「たった今、八戸でプレゼンを終えて新幹線に飛び乗ったところ。ちょっと定刻に戻るのは無理なので直帰するから部長に伝えておいてもらえるかな。ホワイトボードも消しておいて。それとお土産買えなかったけどえぇんか?えぇんか?あとさマイミクの件だけど…」「わかりました。結構です。お疲れ様」マヤちゃんは照れ屋なので

    メロウ - Everything you've ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/08/07
    切ない気持ちになりかけた / そりゃモザイクの向こうは元気だろうなあ。モザイクのこっちも元気かもしれないけど
  • 膨らんできちゃった - Everything You’ve Ever Dreamed

    頚動脈で遭難した。地図を引っ張り出してきて神奈川県を見つけ、隣接する東京都、山梨県、静岡県との県境と東京湾、相模湾に面した海岸線に赤鉛筆を走らせる。相模湾の緩いループをすすしゅと、横浜川崎港湾地域の細かい凹凸は適当にギザギザと。リンクを繋ぎ終えると赤い輪郭をした犬が地図上に浮き上がる。川崎市麻生区が耳、三浦半島が前足、真鶴湯河原が後ろ脚、江ノ島がオッパイ。JR東海道線の横浜戸塚間あたりが頸動脈。この区間は長い。時間にして10分以上。この区間での尿意はちょっとした悲劇になる。昨夜。僕を飲み込んだ終電が頸動脈に差し掛かったころ。僕は遭難した。酔っぱらって懸垂選手のように両手で吊革にぶら下がり車輌がレールの継ぎ目を指揮者に奏でるガタントトというビートに合わせ腰を前後にグラインドさせていた僕に想定外の異変。お酒を飲んで血の巡りが良くなったせいだろうか。猛烈な痒み。我慢できない類の痒み。足の裏を蚊に

    膨らんできちゃった - Everything You’ve Ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/08/04
    100日おめでとうございます!/中身の濃いフミオさんの100日に比べ、僕の248日の薄いこと薄いこと!濃くなりたいです。
  • 質問ですかレロレロレ - Everything You’ve Ever Dreamed

    お前に訊きたいことがあると部長から内線で告げられたのは午後6時9分。仕事を投げ出しiPodと鉛筆を鞄に投げ入れ小学生のときの避難訓練の要領でデスクの下に潜りヤンマガの袋綴じグラビアをビリュリュリュと手刃で切って四つん這いのワンワンスタイルでベロをレロレロレロレロと高速に動かしながら眺め始めたときだ。バッキャロー!ロケンロー!レロレロー!僕は灘坂舞ちゃんのJカップの前でベロをレロレロするためだけに袋綴じに閉じ込められたような心持ちで今日一日を送ってきたのだ。堪へ難きを堪へ忍ひ難きを忍ひ以てレロレロの爲に袋綴じグラビアを開かむと欲す、そう過ごしてきたのだ。部長よ、あなたに僕のささやかな幸せを邪魔をする権利があるのですかと思いつつもわかりましたと無意識のうちに応じている自分に驚く。なぜって?聞いちゃうソレ。ソレ聞いちゃう?リーマンだからに決まっているだろう…。 「個人的にお前に尋ねたいことがある

    質問ですかレロレロレ - Everything You’ve Ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/07/30
    「レロレロレロ」と僕をそっと包むようなハーモニーが聞こえてくるようでした
  • 駄菓子屋ガール・ロックンロール - Everything You’ve Ever Dreamed

    地元にある駄菓子屋は婆さん一人で切り盛りしてるような小さい店でお世辞にも綺麗とはいえない。もう25年も前の話になるのだけれど、婆さんの駄菓子屋の店頭にはカラフルな飴玉がつまった瓶、駄菓子、水風船、零戦ヒコーキが溢れ、毎日のようにボンクラ小学生が取り囲んでいた。僕もそのうちの一人で「うまい棒」や「よっちゃんイカ」や「ベビースター」を毎日のように買っていた。そこは僕らの宝島だった。 ガンプラが流行ったとき、プラモ屋が「ド・ダイYS」とザクの「武器セット」を抱き合わせにするような阿漕な商売をして、「あそこではもうプラモ買わねー」「エンガチョ」「店の前に犬のウンコ置いちゃおうぜ」「立ちションしよーぜ」と百円玉3枚を握り締めたボンクラ小学生の失望と顰蹙と怒りの標的になったけれど、婆さんはそんな商売っ気を微塵も見せることなくガンプラが入荷するや否や「シャーガンダムあるよ〜」と僕らに声を掛けてひとつずつ

    駄菓子屋ガール・ロックンロール - Everything You’ve Ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/07/24
    僕も全力疾走で生きなきゃダメだと思いました / 駄菓子屋に行きたいけど最近の駄菓子屋はただの「駄菓子を置いてある店」でしかないからなあ
  • 部長。をプロデュース- Everything You’ve Ever Dreamed

    毎月第三金曜日は月次定例営業会議と決められていて僕は目を覚ました瞬間から憂のなかに沈んでしまう。通勤電車が沈没していく潜水艦のように思える。救いの手もなく、墓標の有りかも知られず、逃げ場もなく、光届かぬ海溝へと沈んでいく潜水艦。手帳を取り出し平成20年7月18日の欄に描いたドクロベエを確認して溜め息が出てしまう。幸せがまたすこし逃げていく。 習性とは恐ろしい。無意識のうちに会社に着き、エントランスを抜けていた。エレベーターの前で部長と総務のマヤちゃんと鉢合わせた。悪魔と小悪魔と僕を胎内に呑み込むとエレベーターは鉄製の扉を閉ざした。一階。三人を閉じ込めたエレベーターはたちまちスパイシーな匂いで充たされた。二階。スパイシー。ノー。そんな生易しいものじゃない。これは異臭だ。僕は非常ボタンを探し始めた。三階。僕は非常ボタンのかわりに部長のワイシャツの脇のところが黄色く変色しているのを見つけた。階

    部長。をプロデュース- Everything You’ve Ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/07/22
    部長のバッドスメルは改善されていないのにプロデュース? と思ったけどこれで毎回会議を早く終わらせることが出来る訳ですね、名プロデューサー。
  • さよならお兄ちゃん - Everything You’ve Ever Dreamed

    優しさに溢れる僕は冷蔵庫のためにだって祈りを捧げる。もし冷蔵庫による冷蔵庫のための天国があるのなら無事に辿り着いてほしい。工場のラインで生き別れてしまった親兄弟と再会してほしい。ブリーフにタンクトップ・シャツで暑さに反抗しながら祈る。 昨日、冷蔵庫が壊れた。暑さで中身の腐れるもの全てが腐り、僕は不貞腐れ異臭のなかで「オエェェェ!ウエェェェ!」と呻き声やら鳴き声やら喘ぎ声やら何が何だかわからない奇声と涙を垂れ流しながら冷蔵庫を掃除した。この冷蔵庫は家を改築した際にやってきたのだから丸18年使ったことになる。大往生。長い間、台所の隅から僕の家族に起こったことをその白いボディーに映してきたわけだ。 「そこにある」が当たり前。そういう存在が無くなってしまうのは少し寂しいものだ。もっとも以前と比べると製氷に時間がかかるようになっていたし、時折ブモーップリュプリュと異音を立てたりしていたので「そろそろ

    さよならお兄ちゃん - Everything You’ve Ever Dreamed
    capelito
    capelito 2008/07/17
    「お兄ちゃんいつもはイケメン」ですよねー/新垣栗山ゆま蛯原クリステルはやればできる子