ふつう自然科学や経済学で確率を考える場合、ほとんど正規分布を仮定している。しかし実際に世界を動かしているのは、そういう伝統的な確率論で予測できない極端な出来事――Black Swanである。 たとえば9・11の前に、今のように厳重なセキュリティ・チェックが提案されても通らなかっただろう。飛行機ごとビルに突っ込むという行動は、人々の確率論的なリスク評価の枠外にあったからだ。このように、いわばメタレベルで人々の予想を裏切る現象がBlack Swanである。ここでは母集団が未知なので、その確率分布もわからない。圧倒的多数の出来事はごくまれにしか起こらないので、その分布は非常に長いロングテール(ベキ分布)になる。 著者がBlack Swanを理解していた唯一の経済学者として挙げるのがハイエクだが、実は彼より前にこの問題をテーマにした本がある。Frank Knightの"Risk, Uncert
ある学会の事務局から問い合わせのメールが来た。 学会誌への会員住所録の掲載は個人情報の開示にあたるので住所録掲載を見合わせたらどうかという申し出が一会員からあったので、会員諸氏のご意見を承りたいという内容である。 「同窓会の名簿等でも個人情報の扱いに神経質になっている時世を実感することが度々です。差し出がましいようですが,ご検討くだされば幸いです。」というご意見である。 事務局からは「住所録そのものを掲載しない...というのは,時代の趨勢だと思いますが...どうでしょうか」と訊いてきた。 まことにおっしゃる通りである。 さらに言えば、「学会員であるという」事実もまた重大な個人情報であるから、会員名簿そのものを作成すべきではないとするのがことの筋目であろう。 加えて、実名で学会誌に寄稿している会員の場合、刊行物を通じて、どのような思想信条文学的嗜癖を持っているのかもひろく人の知るところとなる
ウィキノミクス マスコラボレーションによる開発・生産の世紀へ作者: ドン・タプスコット/アンソニー・D・ウィリアムズ, 井口耕二出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2007/06/07メディア: 単行本 最近買ったウィキノミクスを読んでいて、はてブついてに覚書。のchanmさんが書いたペイフォワードとギブファーストの記事と頭の中でマッチングした。 ウェブの発達、オープンソースの台頭でソフトウェアの開発スピードは異常なまでに加速し、ひとつの企業内だけではそのスピードに追いつけなくなってきている。これは周知の事実だろう。 ウィキノミクスではピアプロダクションという言葉で、この時代に適応するひとつの解法を示している。ピアプロダクションとして有名なのはリナックスの開発である。各地に分散したオープンソースプログラマーがチームとしてフリーソフトウェアを開発するケースである。このようにして生み出され
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